人権とは
人権と聞くと、何か堅苦しく難しいものと思われがちです。
しかし、人権はわたしたち一人ひとりにとってかけがえのないものであり、誰もが生まれながらにして持っている人間として幸せに生きていくための権利です。
わたしたちは、「自分の能力を生かし働いて豊かな生活をしたい」とか「好きな人と結婚し幸せな家庭を築きたい」、「健康で長生きがしたい」など様々な願いを持ち、日々このような願いがかなうよう努力しています。そして日本国憲法では、この人間として当然の願いを、侵すことのできない権利、つまり基本的人権として保障しています。
ところが現実には、日常生活のいろいろな面でいわれのない差別を受け、悩み苦しんでいる人がいます。「女性だから」「子どもだから」「障害者だから」「同和地区出身だから」といって、気がつかない間に、人間としての尊厳を傷つけ、基本的人権を侵害していることが少なくありません。さらに国際化や情報化など社会情勢の変動によって、プライバシーの侵害などの新たな人権問題も生じています。
わたしたちは、誰もが幸せに生活できるように、お互いを尊重し、力をあわせて人権を大切にする社会を築いていかなければなりません。
誰もが喜びと生きがいを実感しながら平等に社会に参加し、また、自分と同じように他人も大切にできる温かい心あふれる社会を実現するためにも、差別について正しく認識し、差別を許さないという強い意志を持つことが大切です。
様々な人権問題
子どもの人権を守りましょう
陰湿で執拗ないじめ、教師による体罰、親による虐待、国内外での児童の売春や児童ポルノの氾濫など、子どもの人権に関する問題はたくさんあります。子どもを単に保護の対象として考えるのではなく、一個の人格を持った人間として認め、その権利を尊重していくことが大切です。
HIV感染者やハンセン病患者などに対する偏見をなくそう
エイズ、ハンセン病をはじめ、感染症に対する正しい知識や理解の不足から、感染症などにかかった人々に対する、日常生活、職場、医療現場における差別やプライバシー侵害などの問題が起きています。問題を真っ向から見つめ、正しい知識や認識を持つ必要があります。
障害のある人の完全参加と平等を実現しよう
障害のある人に対する人々の理解や配慮はいまだ不十分であり、車椅子での乗車を拒否されたり、アパートへの入居を拒否されるなどの様々な人権問題が発生しています。障害のある人と障害のない人とが対等に生活し活動できる社会にしていくことが大切です。
外国人の人権を尊重しよう
日本で生活する外国人は急増していますが、言語、宗教、生活習慣等の違いから、アパートやマンションへの入居拒否、公衆浴場での入浴拒否など様々な人権問題が発生しています。人権に国境はありません。今後ますます国際化が進む中で、外国人のもつ文化や多様性を受け容れ、尊重することが、国際社会の一員として望まれます。
高齢者を大切にする心を育てよう
我が国における高齢化の現状は、平均寿命の大幅な伸びや少子化などを背景として5人に1人が高齢者となっています。高齢者が自立した一個人として生きがいの持てる生活ができるように接していくことが重要です。
部落差別をなくそう
部落差別は、日本社会の歴史的発展の過程で形づくられた身分差別に基づくもので、今なお差別事案が後を絶ちません。国民の一人一人がこの問題について一層理解を深め、自らの意識を見つめ直すことが必要です。
「部落差別は許されない」ものであり、部落差別のない社会を実現することを目的とした、「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行されました。
インターネットを悪用した人権侵害は止めよう
インターネットの普及により、個人の名誉を侵害したり、差別を助長する表現の掲載など、その匿名性、情報発信の容易さを悪用した、人権にかかわる様々な問題が起きています。インターネットを利用する人は、個人の名誉を始めとする人権に関する正しい理解を深めることが必要です。
性的指向を理由とする差別をなくそう
同性愛者など、少数派の性的指向の人に対する偏見は根強く、社会生活の様々な場面で人権問題が発生しています。性的指向による偏見・差別を解消することが求められます。
※性的指向・・・性的意識の対象が異性、同性又は両性のいずれに向かうかを示す概念のことで、異性愛、同性愛、両性愛を指します。
(関連情報「性の多様性」をご覧ください。)
女性の人権を守ろう
「男は仕事、女は家庭」というように、男女の役割を固定的にとらえる意識などから生まれる男女差別は、家庭や職場で依然として根強く残っています。また、女性に対する暴力の解消も、重要な課題です。少子化や高齢化が進むこれからの社会を担うためには女性と男性が対等の立場で協力し、責任も分かち合うことが大切です。
性同一性障害を理由とする差別をなくそう
「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が施行され、性同一性障害であって一定の条件を満たすものについては、性別の取扱いの変更について審判を受けることができるようになりましたが、一方で性同一性障害者に対する偏見や差別があります。性同一性障害に関する正しい理解を深め、偏見・差別をなくすことが必要です。
※性同一性障害・・・生物学的な性(からだの性)と性の自己意識(こころの性)が一致しないため、社会生活に支障を来たす状態をいいます。
(関連情報「性の多様性」をご覧ください。)
アイヌの人々に対する理解を深めよう
アイヌの人々には独自の豊かな文化がありますが、近世以降のいわゆる同化政策や文化の伝承者の高齢化に伴い、文化の保存や伝承の重要な基盤が失われつつあります。また、アイヌの人々に対する理解不足から、就職や結婚などにおける偏見や差別が依然として存在しています。アイヌの人々に対する理解と認識を深め、その文化を維持し、その尊厳を尊重することが大切です。
犯罪被害者とその家族の人権に配慮しよう
犯罪被害者とその家族に対する人権問題としては、直接的な被害のほかに、興味本位のうわさや心ない中傷などにより名誉が傷付けられたり、私生活の平穏が侵害されたりすることなどが発生しています。犯罪被害者とその家族の人権問題への社会的関心が高まる中、一層の理解と配慮が望まれます。
刑を終えて出所した人に対する偏見をなくそう
刑を終えて出所した人やその家族に対する偏見には根強いものがあり、就職差別や住居等の確保の困難などの問題が起きています。刑を終えて出所した人が更生するためには、本人の強い意欲とともに、周囲の人々の理解と協力が必要です。
ホームレスに対する偏見をなくそう
ホームレスの自立を図るための様々な取組が行われている一方、ホームレスに対する嫌がらせや暴行事件などの人権問題も発生しています。ホームレス及び近隣住民の人権に配慮しつつ、ホームレスの自立の支援をしていくことが必要です。
関連情報
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