熊野神社の熊手市

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ページ番号1001613  更新日 2024年1月24日

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白子の熊野神社では、毎年12月7日に熊手市が開かれます。氏子の皆さんが「お初米」(おはつまい:熊手に今年初めてとれた稲の穂がついたもの)を授与したり、熊手を商う店や屋台が並び、美しく黄葉したいちょうの大木のもと、地元の人々に支えられ守られてきた場です。

写真:熊野神社の熊手市

熊手市ってなに?

そもそも、熊手市とはどのようなものなのか、熊手の店を営む三代目にお話を聞きしました。

埼玉の熊手市

写真:熊手の商い三代目

熊手市といえば、東京・浅草などの「酉(とり)の市」が有名ですね。その昔、熊手を作る職人は東京に住んでいて、リヤカーで熊手を運んでいたんです。酉の日に東京・浅草で酉の市を終えた後、残した材料を持って国道17号線(旧中山道)を下って熊谷まで運び、そこで12月8日に市を出した後、今度は熊谷から東京の自宅へ戻るために上ってきて、大宮で10日、浦和で12日、川口で14日と順々に熊手市を開きながら、家に帰っていきました。それが埼玉での熊手市の始まりです。

白子や川越など、国道17号線沿いではないところも、あとになってから熊手市をやろうかと始まったとは思いますけど、私も三代目で、子どものころにはもう来ていましたから、いつからなのか分からないんですけどね。
(写真は熊手の商い三代目)

熊手市が酉の市と呼ばれるのはなぜ

神社は祀っている神様がそれぞれ違う。その中で大酉(おおとり)神社は商売の神様を祀っているから、商売の神社といわれています。大酉神社という商売の神様の所で熊手市が開かれるのが本来なんだけど、東京では11月の酉(干支の酉(とり))の日に大酉神社で行われるから酉の市といわれています。

埼玉では12月になると熊手市が開かれるし、酉の日にやらないので熊手市といわれます。埼玉の熊手市は日にちが決まっています。

熊手の飾りの意味は

縁起物の熊手の飾りとマス飾り

熊手は富や福をかっ込むといわれる縁起物です。昔はもっと簡単な作りだったんですよ。自分たちのところのでいうと、シンプルなものは、しめ縄、鯛、印刷された恵比寿さん、鯉などです。鯉は中国の故事で登竜門の鯉の滝登りをもとに出世を願っているんですね。今のお宝とは違って上に上にという思考っていうことですね。

熊手の飾りものは、松竹梅、鯛、鶴亀、小判、などおめでたいといわれる縁起物。熊手の中心にあるおかめさんは家内安全を祈願したもの。また、商売がますます繁盛するようにマスがついていたり、恵比寿さん、大黒さん、だるまなども飾られています。

熊手は新しい一年を守ってもらうために店や家に飾るものですが、飾る向きに決まりがあって、東向きか南向きに飾ります。神社の本殿と同じなんですが、東向きなのは、お日様は昔から神様の象徴だったので、日が昇るから東。お日様が一番てっぺんになる南も縁起が良いとされるからです。西は日が沈む方角だから縁起が悪いといわれています。家に飾るのだったら、昔の家なら鴨居だったり、柱に釘などをうって後ろに紐をとおしてかけるといいですよ。
熊手のほか、縁起物をもりつけたマス飾りも売っています。(写真は熊手とマス飾り)

熊手のもとめ方は

熊手を値切るかけひきも恒例とはいわれてますけど、実はその先があるんです。昔は値切った分だけ「ご祝儀」として店に渡す習慣があったんです。そこで、ご祝儀をいただいたお店として、お客様の商売繁盛を祈願して「繁盛!」などの声もあわせながら三本締めを行います。

写真:お初米を渡す氏子さん

小さな場所で行われる熊手市には、長い歴史とあたたかい人情があふれていました。

当日は、気温7度、風速6メートル北風が吹きすさぶ中でしたが、1年の務めを終えた熊手をたき火にくべ、神社に参拝した後に熊手やお初米をもとめ、たき火にあたりながら甘酒を飲み、近所の人々と談笑する姿を見ると、心がほっと和みます。

是非、皆さんも、和光市の伝統ある市を見に来てください。
(写真はお初米を渡す氏子さん)

市の様子

写真:神社の境内に並ぶ熊手を商う店

写真:古くなった熊手は火にくべる

写真:神社の境内にあるいちょうは見事な黄葉

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