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平成31年3月15日 中学校卒業式祝辞

2019年03月15日 12時00分

平成31年3月15日(金曜日)、市内中学校卒業式で祝辞を贈りました。内容を掲載いたします。

 春の訪れを間近に感じさせる今日の佳き日、中学校の卒業式がこのように盛大に挙行されますことを心からお祝い申し上げます。

 本日、義務教育のすべての課程を終え、卒業証書を手にされました卒業生の皆さん、本当におめでとうございます。ご列席のご家族、教職員の皆様には、これまでのご努力に心から敬意を表します。また、本日ご列席のご来賓の皆様には日頃の学校活動へのご協力に対し、厚く御礼申し上げます。

 さて、この5月には平成の30年間が幕を閉じようとしています。併せて、世の中が大きく変わろうとしています。情報技術、AI、再生医療などの科学技術のイノベーションが進み、また、社会、経済活動などの様々な分野でグローバル化が進んでいます。一方で、少子高齢化も着実に進展しています。私たちはまさに時代の転換期の中にいるのです。
 そこで、皆さんに時代の転換期を生きた一人の人物を紹介したいと思います。江戸時代を代表する思想家であり経世家である熊沢蕃山(くまざわばんざん)という人です。現在でいえば政治家でしょう。
 400年前の時代をちょっと想像してみてください。大坂夏の陣、冬の陣が終わり、ようやく戦乱の世が終わりつつある頃です。大量の武士が失業し浪人となっていた時代に蕃山は生まれました。蕃山は当初、最後の内乱となった島原の乱に参陣し身を立てようとしましたが、参陣かなわず、乱もあっという間に終わってしまいます。蕃山は戦場での活躍により身を立てる時代が終わったことを痛感し、学問で身を立てることを決意します。
そして、中江藤樹(なかえとうじゅ)という実践を旨とする江戸時代を代表する学者との出会いによりその才能を開花させます。蕃山は、岡山の池田藩を舞台に、防災や災害対策で実力を発揮します。また、庶民のための日本最古の学校づくりを企画したり、貧しい農民の救済に尽力します。その幅広い活躍は後世に語り継がれ、吉田松陰ら幕末の志士たちの精神的な支えにもなりました。

 一方で、当時の幕府との思想的な確執により岡山藩を去ると、各地を転々とし、その生涯を現在の茨城県古河市で終えました。古河市には今も蕃山の指導によるというため池が残っています。
蕃山は、この境遇の中で「憂きことの なほこの上に 積もれかし 限りある身の 力ためさん」という短歌を詠んだと伝えられています。今風に言うなら「大変なことがどんどん俺に降りかかればいい。自分のできることには限りはあるけれど、力を試してやるぜ」というような意味でしょう。私たちは蕃山の生きざまから、何より時代の変化への対応力を学ぶことができます。時代の変わり目に生きた彼が大胆に人生の方針を転換したように、皆さんもまた、変化の激しい時代を敏感に感じ取り、軽やかに対応していただきたいと思います。そして、苦境にあってもなお、その実力を発揮し、人々に尽くした生き様を見習っていただきたいものです。

 本日、中学校を卒業する皆さんは、これから、今までよりもずっと広い、大きな世界で生きることになります。そこには新しい出会いがあり、新しい人間関係が生まれます。ワクワクすることや楽しいこともあれば、これまでにない困難や辛い出来事に出会うことがあるかもしれません。しかし、これまで学んだことや経験を胸に、時には親しい人に悩みを打ち明けながら乗り越えてください。 卒業生の皆さんのさらなる活躍を期待しています。

 結びに、卒業生とご参会の皆様のご多幸をご祈念し、お祝いの言葉とします。
 本日はまことにおめでとうございます。

 

 

 平成31年3月15日                      

 和光市長                                

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