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■第三次和光市総合振興計画
基本計画(前期)
構想推進のために

1. 市民(住民/企業・NPO)と行政の協働

現況と課題
 和光市では、市民の意見を市政に反映させるため、市政対話集会や提言箱、モニター制度など、これまでもさまざまな方法で広聴活動を行ってきました。しかしながら、市民のニーズが著しく多様化し、地方分権が急速に進む中で、地方行政が自己決定して、その責任を担っていくには、あらゆる市民と行政が日常的なコミュニケーションを通じて積極的に意見交換し、一緒にまちをつくり上げていく仕組みと環境づくりが今までにも増して必要となっています。
また、限られた財政の下で多種多様な施策を効率的に実施していくためにも、住民や企業、NPOなど、さまざまな分野で活躍する市民との協働が必要不可欠です。そして、こうした協働関係の前提となるのは、透明で公平・公正な環境であり、そのための迅速な情報公開です。本市でも、平成12年に「和光市情報公開条例」及び「和光市個人情報保護条例」を制定しており、要求に対して情報提供するというのではなく、市民が常に新しくわかりやすい情報に容易にアクセスでき、市政に参加できる体制を整備することが重要になっています。
施策別計画内容
(1) 計画・実施・評価の段階における市民参画の推進

(1)市民による自主活動の組織化・ネットワーク化の支援
 さまざまな分野における市民のボランティア活動やNPO活動の情報を集約し、そのネットワーク化を支援するとともに、そのつながりを活用して、市の情報を提供し、また、市民参画を呼びかけます。

(2)事業の各段階における市民参画の仕組みづくり
 政策形成の過程から評価に至るまでの一連の行政運営に市民の参画を得られるよう、会議の公開や各種委員の公募、計画などの策定過程での公表などを積極的に行うとともに、パブリック・コメント※4や住民投票制度の検討など、さまざまな市民参画の仕組みづくりを進めます。

(3)市民参画を支援する体制の確立
 市民の自主的な活動と効率的かつ効果的に連携しながら、市政を運営できるよう、さまざまな市民参画の仕組みや方策を研究するとともに、行政内の各関連部署との調整や市民の自主的活動への支援を行うことのできる体制を確立します。
(2) 透明で公平・公正な環境づくり
(1)情報公開制度の整備・充実
 市民の知る権利と行政の説明責任を保障し、市民サービスの向上ならびに開かれた市政の実現を図るため、情報公開条例及び個人情報保護条例に基づいて、情報制度の積極的な運用に努めます。

(2)広報広聴活動の充実
 市民の多様な生活形態や行動様式に対応した、きめ細かい広報活動を推進するため、従来の広報「わこう」の充実に努めるとともに、ホームページなど、多くの媒体を積極的に活用します。また、電子メールや対話集会などによる広聴機能の充実を図るとともに、こうした多様な媒体の活用により、市民とのコミュニケーションの双方向化と即時化を進めます。

(3)苦情処理・行政相談の充実
 苦情処理や行政相談の体制をより開放的で利用しやすいものとするとともに、市民サービスの総合的な調整機能として位置付け、その結果を積極的に市政に反映します。
2. 体質転換による行政の自立

現況と課題
 市民ニーズがますます高度化、多様化し、将来的にも厳しい財政状況が予想される中で、地方分権は本格化しており、市行政の果たす役割や責任が一層大きくなることが想定されます。本市においても、行政改革をより一層推進し、効率的な行政運営を図るとともに、市民サービスの向上に努めなければなりません。データベース化やオンライン化による事務の効率化はもちろん、実質的に事務事業を円滑に遂行できるよう、わかりやすく簡素な組織づくりや企画調整機能の強化などを図るとともに、市民参加や民間活用をこれまで以上に積極的に取り入れていく必要があります。このためには、こうした課題に対応できる政策形成能力を備えた人材の育成を進めるとともに、計画や事業の目標を明確化し、その達成度や実施効率性に加えて、費用対効果を客観的に評価するシステムを導入していくことが不可欠です。また、今後は、市民参加などを通じてニーズを把握し、選択的に施策や事業を実施していく必要があります。
施策別計画内容
(1) 事務処理能力の向上

(1)情報管理システムの充実
 迅速な事務処理と効率的なデータ管理を図るため、オンライン上での電子決裁や書類の電子情報化などを推進し、国や県のネットワークとも接続、連携しながら“電子自治体”としての整備を進めます。また、市役所庁舎及び各出先機関とのネットワークを活用し、庁内のデータと情報資源の共有化を図り、事務の効率化を推進します。

(2)文書管理・保管システムの充実
 情報の共有化と文書検索の迅速化のため、ファイリング・システムのさらなる充実に努めるとともに、文書のより効率的な管理を目指し、電子情報化による文書管理システムの導入についても検討します。

(3)市民サービスの向上
 組織の横断的機能の充実や窓口の一元化、いわゆるワン・ストップ・サービス※5の検討などにより、市民の利便性向上に努めます。また、夜間や休日の証明書発行やオンラインでの公共施設利用申込み、税申告などの新たなシステムの導入についても検討します。
(2) 行政運営の簡素化と合理化
(1)組織の充実と活性化
 多様な市民ニーズに対応できるよう、市役所内の横の連携を進め、市民にもわかりやすい組織づくりに努めます。そのために、プロジェクトごとのチーム編成や分野横断的な企画調整機能の充実を図ります。

(2)人事管理と人材育成
 社会の環境変化に的確に対応するため、適正な人事配置に見合った任用を実施するとともに、民間の人材の活用についても検討を進めます。また、職員一人ひとりが能力や可能性を最大限に発揮できるよう、地方分権に対応できる政策形成能力など、各種研修による資質の向上を図るとともに、企画書の提出や希望職務の自己申告など、新たな仕組みの導入を推進します。
(3) 計画・事業の管理と評価
(1)総合振興計画に基づいた総合的な進行管理
 行財政の総合的かつ効果的な執行を確保するため、総合振興計画に基づいて主要事業及び施策の進行状況を把握し、計画の実効性の確保に努めます。

(2)評価システムの導入
 行政の効率的な展開と説明責任の明確化を図るため、政策評価や事務事業評価などの行政評価システムの導入により、行政運営の適正化と質の向上に努めます。
3. 経営感覚を取り入れた合理的財政運営

現況と課題
 和光市の財政は、都心に近く交通便利な立地条件の良さや市民の比較的高い所得水準などに支えられ、これまでほぼ安定的に推移してきました。しかしながら、少子高齢化による市民ニーズの多様化や地方分権と流動性の高い住民特性による行政サービスの増大などにより、今後の財政は厳しさを増すことが予想されます。こうしたさまざまな変化の中でより効率的で弾力的な財政運営を推進するためには、コスト意識を徹底して、民間企業の経営感覚を取り入れながら、市民ニーズの正確な把握に基づく施策・事業の選択と継続的な管理と評価による計画の見直しが必要となります。また、より積極的な民間活力の活用も課題です。
施策別計画内容
(1) 長期展望に基づいた計画的な財政運営

(1)中長期財政計画の充実
 計画的な財政運営を図るため、中長期財政計画をさらに充実し、明確にします。

(2)大型(投資的)事業と起債の計画的実施
 投資的事業には多額の財源を必要とすることから、計画的な事業執行に努め、自主財源の確保に努めるとともに、世代間の負担の公平性に十分配慮しながら起債の活用に努めます。

(3)経常的経費(公債費、物件費、人件費、補助金など)の適正化
 経常経費の増加は財政の硬直化を招くことから、定員管理の適正化と事務事業の見直しを図り、財政構造の弾力性の確保に努めます。
(2) 施策・事業の選択的実施と中間見直し

(1)費用対効果評価の実施
 事業の妥当性評価のために、それぞれの事業の成果を具体的な数値指標で示し、その達成に要する費用と事業実施によってもたらされる効果を比較検討することで、市民にとってもわかりやすい事業の実施と運営を進めます。

(2)コスト意識の徹底
 事業別予算の充実により、事業ごとの費用に関する点検、評価を可能とすることで、職員の意識改革を進め、コスト意識の高揚を図ります。
(3) 民間の積極的な活用
(1)民間との機能分担の明確化
 住民や企業、NPOなどの活動の実態を踏まえて、行政の役割と守備範囲を見直し、市民と行政の機能分担とそれぞれの責任を明確にした上で、協働のシステムの構築を図ります。

(2)民間活用の新しい概念の導入
 公共部門の効率化とサービスの質向上を図るために、地域の人的資源や民間資金などを効率的に活用できるよう、引き続き外部委託を推進するとともに、民間企業の能力を利用した新しいシステム(PFI、BOT※6など)の導入について積極的に検討します。

(3)入札制度の公正性の向上
 入札手続きの透明化やペナルティの強化など、より一層の公正性確保に努めます。
4. 広域連携による行政運営の効率化
現況と課題
 日常生活圏の拡大、価値観やライフスタイルの多様化などにより、行政ニーズはますます複雑多様化しており、市域を超えた広域的な行政サービスの必要性が高まっています。このような状況の下、より合理的で効率性の高い行財政運営を実現するために、関係自治体間における連携の強化が必要とされており、埼玉県西部第一広域行政推進協議会、埼玉県南西部4市まちづくり協議会による広域的な行政圏計画の策定や広域的な行政課題の検討に加え、消防やし尿処理などの事業については、朝霞地区一部事務組合により事務事業の共同処理を行っています。さらに、彩の国さいたま人づくり広域連合による市町村職員の人材開発や人材交流などについても共同で推進しています。今後ますます多様化、高度化する行財政需要に対応し、かつ、財源の効率的運用を図るために、広域行政推進体制のより一層の活用に努めるとともに、共同処理に適した事務事業については、関係自治体と十分調整し、積極的に推進していく必要があります。
施策別計画内容
(1) 広域圏計画の推進

(1)調和のとれたまちづくりの推進
 埼玉県南西部4市まちづくり協議会や埼玉県西部第一広域行政推進協議会を構成する市町と連携を図りながら、広域圏計画の事業を効果的に推進します。また、「埼玉県新5か年計画」などとの整合性を保ちながら、調和がとれたまちの形成に努めます。
(2) 広域行政推進体制の活用

(1)公共施設の相互利用
 埼玉県南西部4市まちづくり協議会による公共施設の相互利用をさらに充実し、効率的な施設の運用を図ります。

(2)人事交流の推進

 埼玉県南西部4市まちづくり協議会などによる職員の人事交流をさらに充実し、職員の資質向上を図ります。

(3)新たな行政需要に対する広域的な対応

 新たな広域的な行政需要に対応するため、関係自治体と協力し、課題解決に取り組みます。特に、埼玉県南西部4市まちづくり協議会構成市との連携を深め、独自性や主体性を尊重しながら共通課題の解決に努めるとともに、市民による意思決定を前提として、合併についての検討を進めます。
(3) 国や県との連携
(1)国や県との連携
 本市の目指す将来都市像の実現のため、自主財源の確保、広域的な都市基盤の整備、介護保険などの社会保障制度の充実など、市政の枠を越える要素について、国や県に対する要請を継続します。
5. 目標を明確にした戦略的な市政運営

 和光市が直面する課題を克服し、基本構想が描く未来をかたちにしていくために象徴的な施策・事業をまとめることで、目標と優先順位を明確にした戦略的な市政運営に努めます。
(1) 「グリーン・ループ」プロジェクト:水と緑が循環する景観づくり

 市民からの要望が強い東武東上線和光市駅北側の整備を本市のシンボル形成の重点として進めます。時間の経過を踏まえて全体構想を再確認し、和光市の大切な資源である水と緑をより視覚的にまちのイメージとして活用しながら、周辺の環境と一体的な駅前広場の整備を検討していきます。北側の整備と併せて、本市の魅力を具現化する“まちの顔”を完成させるために、駅南側にある商店街の活性化も積極的に支援し、緑を活かしたデザインの同質化などを提案します。さらに、この地区を中心にして、緑地協定の締結などを促進し、連続する緑の流れがまち全体を循環するような統一的なまちづくりを推進・支援していきます。
(2) 「グリーン・ハート」プロジェクト:緑を大切にする心づくり

 和光市に既にある資源として水と緑を活用するだけでなく、人々の心に安らぎと潤いを与える環境を積極的に守っていくことは市民の願いとなっています。そのため、市が環境への重大な影響を継続的に改善するために認証取得したISO14001を推進し、環境に配慮した行政運営を率先して進めていくとともに、安全で美しい環境に対する市民一人ひとりの意識・関心が高まることも重要であると認識します。ごみに関する理解を促進しながら、分別の細分化徹底などによるごみの減量化を図ると同時に、リサイクル・センターの機能を拡充し、フリーマーケットなどのイベントも開催して、全市民によるリサイクル推進に取り組みます。このほかにも環境と健康の関連性、自然の中での余暇の過ごし方など、毎日の生活のあらゆる場面で水や緑と触れ合う活動を推進し、支援していきます。
(3) 「まち歩き快適化」プロジェクト:誰もが快適に暮らせる都市づくり
 市民の日常生活をより快適にするために、駅周辺の渋滞に対する解決策を提示します。市内の公共交通網についても、誰もが気軽に利用できるよう、循環バス路線の拡充と増便に向けて、料金の有料化を図ります。また、より安全な毎日とするために、引き続き市内の総点検を行い、生活道路への通過交通の進入を回避するような交通体系のあり方を研究するとともに、歩道の確保・拡幅、街路灯の設置などについて整備の優先順位を明確にします。同時に、段差解消などのバリアフリー化の進展についても確認し、誰もが安心してまちを往き来できるように、具体的な整備目標を設定します。
(4) 「ベンチャー・リサーチ・パーク」プロジェクト:個性ある産業づくり
 和光市における個性あるまちづくりの実現のために、本市特有の良好な交通条件と高度な研究機関の立地を活かして、企業及び研究機関の集積を促進します。このため、既存の中小企業などの連携を支援するとともに、ベンチャー企業の育成も念頭に置きながら、高度な科学技術に関連する機関などと連携して、地域に密着した新産業の立地も促進します。また、学校教育や社会活動での協力や市内交通などの都市基盤の整備を通じて、こうした地域の産業やそこで働く人々と市民の間の交流を支援します。
(5) 「コミュニティ生活応援」プロジェクト:地域ぐるみの生活づくり
 和光市で確実に進んでいる若年層の人口増加を考慮して、ライフスタイルの変化に合わせながら、誰でも安心して育児ができるように駅前などの利便性の高い場所における一時的保育や延長保育などのサービスの実現について検討します。きめが細かく、効率的なサービスの確保を促進するため、ホームページや広報による子育て情報ネットワークの整備などを通じて、地域のボランティアや民間業者による活動も積極的に支援します。また、育児や児童福祉のみならず、「総合的な学習の時間」などを利用して福祉施策と教育活動を体系的に結びつけることにより、障害者や高齢者などを含む、あらゆる人が互いの生活を補い合う地域の形成を図ります。
(6) 「手作りパートナーシップ」プロジェクト:市民の手によるまちづくり
 ニーズの多様化と財政のひっ迫に対応しながら、サービスの質向上と行政の効率化を同時に進めるために、まちの運営に対する市民の積極的な参画を促進します。このため、市民と行政が協働しながら共にまちづくりの仕組みをつくり上げていくための市民参画システムを構築します。行政内部の体制を整えるとともに、ホームページなどを活用した即時的な情報公開・提供を進めるなど、双方向のコミュニケーションがとれる可能な限り多くの交流チャンネルの実現に努めます。また、市民の自主的なまちづくり活動を支援する制度の整備・充実についても検討します。
※4 行政機関が原案を公表して、事前に市民から意見や情報提供を求める制度。
※5 1つの窓口ですべての用件が済ませられるサービス。
※6 Build, Operate and Transferの略:建設(build)から運営(operate)までを受注した民間企業が行い、契約期間後に発注元に譲渡(transfer)する方式。

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