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第三次和光市総合振興計画 基本構想 その2

2010年02月05日 15時13分

 

VII 施策の大綱

1. 便利で心地よい和光の実現のために【都市基盤】

(1) まちの顔としての個性ある市街地の整備

 鉄道や道路あるいは地形や歴史に加え、周辺地域の求心力の影響などによって複数の生活圏域から構成されている和光市では、前構想以来、和光市駅をまちの核として位置付け、魅力ある中心市街地の整備を重要な課題としてきました。駅南側の健康的でにぎわいのあるイメージの形成と併せて北口周辺の秩序ある基盤整備が今後の重点目標となります。駅周辺を中心として、本市の個性である水と緑を活かした“まちの顔”づくりを進めます。

(2) 生活者の目線に合わせた道路・公共交通の整備

 東京外かく環状道路や中心市街地整備と整合した市内の道路ネットワーク整備をより積極的に推進します。また、“生活者の目線”から、市民の安全の確保を最重視し、道路網体系の整備のほか、バリアフリー※1化などを積極的に進めていきます。
 道路整備に併せて、バスなどの公共交通サービスの拡充により、市民の日常生活における交通利便性の向上に努めます。さらに、県南地域における東西及び南北方向の都市交通網の検討とともに市内南北の往き来の改善に努めます。

※1障害の除去(厚生省「障害者プラン」より)。

(3) 上・下水道サービスの提供

 市民が毎日の暮らしを快適に送るためには、常に上・下水道の整備・運営が欠かせません。
 上水道については、本市の人口増加傾向を勘案した将来の水需要増に対応できる施設の更新・拡充を進め、安全で安定的な供給に努めます。
 下水道については、公衆衛生の向上と浸水防止を図り、市民の生活環境の改善を目指し、引き続き整備を推進します。

(4) 都心に近いふるさとを演出する公園・緑地整備

 和光市は、南部の和光樹林公園、北部の荒川河川敷などの大きな緑地に加え、市内各地に斜面林や屋敷林を有し、市民の生活にうるおいと安らぎを与えています。こうした水と緑を保全し、その価値を十分に活用するとともに、より積極的な公園整備や緑化推進によって緑の創出に努め、市民とともに“都心に近いふるさと”としてのまちづくりに努めます。特に、駅前から市役所周辺地区に至る通りにおいて、和光らしさを代表する軸として緑化を推進します。

(5) 和光らしい快適な住宅地整備

 都心へのアクセスに優れる本市では、民間による集合住宅(マンション、アパート等)の建設などがさらに活発になっています。
 “和光らしい街並み”を形成するために、都市マスタープランなどに基づいた関連事業を推進しながら、秩序ある事業の実施を誘導し、各地区の個性を活かした快適な居住環境の形成に努めます。また、高齢社会にも対応する良好な住宅の供給やユニバーサルデザイン※2の普及を促進します。

※2すべての人が使えるようにデザインするという考え方(総理府「障害者白書」より)。


2. 元気で明るい和光の実現のために【教育・文化】

(1) 地域と連携した学校教育の推進

 次代を担う子どもたちが来るべき新しい時代への夢を語り、健やかでたくましい人間性を培い、生命を大切にし“生きる力”を育むための取り組みを進めていくことは大人や社会の責務であると考えます。特に、今後さらに加速する少子化、高齢化、情報化、国際化等の社会の変化に主体的に対応しながら、子どもたちの個性を活かし、ゆとりと創造性のある教育を推進することが重要です。
 市内に立地する研究・研修機関との積極的な連携を図り、その豊富な情報と人材を活用するとともに、地域に根ざした特色ある学校教育を展開していきます。
 幼児教育では、小学校入学以降の生活や学習の基礎・基本を養う必要性から、教育機会が子どもたちへ公平に提供されるように、保育園・幼稚園の連携や支援体制の確立に努めていきます。
 義務教育においては、児童・生徒数の地域的な偏りにも配慮しながら、施設・設備の拡充等の教育条件の整備に努め、特色ある学校づくりを推進するとともに、環境、福祉・健康、国際理解、情報教育などの課題について、創意工夫を活かした体験的、問題解決的な学習を展開し、魅力ある学校づくりを推進します。

(2) 多様化に対応した生涯学習・社会教育の機会提供

 社会の成熟に伴う価値観の多様化により、社会へ出てからも学習の機会を求める人々が大きく増えています。すべての市民がより多くの機会を得て充実した人生を送ることができるよう、様々な市民の要望に応えるために、研究・研修機関等の専門機関や地域住民の知識・技術などを大いに活用し、直接、間接に学習や活動の機会提供を支援します。
 また、まちが都市化するに従って、様々な情報が市内に広がり、子どもたちの欲求の幅が広がっています。こうした情報過多の中から適切なものを選択し、正しい方向で自立・自律※3することができるように、学校だけでなく、地域社会全体で公徳心、正義感、倫理観や思いやりの心を醸成し、道徳的実践ができるような機会の提供に努めます。

※3自立:他の力によらず、自分の力で身をたてること、自律:外部からの制御を脱して、自身の立てた規範に従って行動すること(広辞苑より)。

(3) 和光の個性を伝える文化の保全/形成

 和光市はベッドタウンとしての特徴も顕著に見られますが、人々の生活の歴史は古く、地域に伝わる伝統芸能や文化財も残っており、さらに、著名な文化人も輩出しています。市民が自分の住んでいるまちを意識し、住んで良かったと思えるように、和光市の魅力である水や緑とともに、こうした地域文化を大切に保護し、市民にその価値を伝えていくことに努めます。
 また、音響効果の優れた市民文化センターを中核として、市民が日常生活の中で気軽に文化・芸術活動を楽しめるよう支援します。さらに、市民が都心の文化施設などと同等のトップレベルの芸術に触れられる機会の提供にも努めます。

(4) 日常における身近なスポーツ・レクリエーションの振興

 和光市に暮らす市民が日々健康的な生活を送るとともに、気軽にスポーツやレクリエーションを楽しみ、身体的にもさわやかな毎日が過ごせるよう、総合的な体育施設の整備や既存施設の地域開放などを進めます。また、これらの整備とともに、その自主的な活動や指導者の育成を支援する施策を推進します。

(5) あらゆる人々との相互理解と交流を通じた地域づくり

 すべての市民が平等な機会やサービスを享受し、互いに協力して地域の発展を目指すことのできる社会を実現するために、同和問題などの差別の解消は不可欠です。人間の本質を正しく理解するための教育や啓発活動を推進します。
 また、男女共同参画社会の実現を目指して、男女平等意識の高揚や男女とも社会や地域で活躍できる環境整備を積極的に進めていきます。
 さらに、市内に住む外国人の数も年々増加しており、今後こうした傾向がより強まることは想像に難くありません。ボランティア団体を通して、市内にある研究機関等に勤務する外国人と交流する市民も増えており、こうした活動を支援するとともに、外国人に対する行政サービスの向上にも努めます。


3. 健やかで優しい和光の実現のために【保健・福祉・医療】

(1) 地域で支援する子育て環境づくり

 年齢層が若い和光市において、子育ては市民の大きな関心事になっています。特に、価値観の多様化に伴い、子育てに関するニーズも多様化しています。できるだけきめ細かく子育て環境を整備するために、保育園等の施設機能の拡充・強化を進めると同時に、地域にある幼稚園、小学校、児童センター等とも連携しながら、その柔軟な利用法や各種子育て情報のネットワーク化、相談機能の整備についても検討します。また、民間を含めたサービス提供体制の確立を図るため、地域のボランティア活動や指導者の育成に対しても積極的に支援を実施します。

(2) お年寄りが生きがいを感じられるまちづくり

 一層の高齢化が進む21世紀は、福祉ニーズの量が圧倒的に増大し、また、その質も大幅に多様化していきます。これに効果的、効率的に対応するためには、発足間もない介護保険制度を含む高齢者福祉施策全体の運営における行政、企業、NPO、ボランティア等の緊密な連携が不可欠となります。施設整備にあたっても、民間との連携や他の施設機能との協力などを進めていきます。また、高齢者の活力や能力に注目し、これを活かせる仕組みづくりを推進します。

(3) 地域で日常生活を共有するバリアフリーの心づくり

 障害のある人が一人の市民として、障害のない人と同じようにまちを歩き、社会活動に参加し、朗らかに毎日を過ごすことができるようなまちの実現を目指します。このために、市民が地域でノーマライゼーション※4を実践できるような仕組みを作り、施設・設備や制度の整備に加えて、心のバリアフリー化を進めていきます。また、子どもたちの正しい理解を促す教育にも力を入れます。

※4障害のある人も家庭や地域で通常の生活ができるようにする社会づくり(厚生省「障害者プラン」より)。

(4) 一人ひとりの健康管理意識の向上と保健・医療サービスの充実

 市民が生涯にわたって健やかで安らぎを得られるまちを目指し、検診システムの充実を図ると同時に、自身の健康維持、疾病予防に対する市民一人ひとりの関心を高めるために必要な知識や情報の普及に努めます。
 また、市民一人ひとりが安心して毎日を過ごせるよう、必要な医療サービスについて、関係機関や近隣の自治体等との緊密な協力関係を構築するとともに、可能な限り充実した医療が受けられるよう、地域医療施策を推進します。

(5) 効率的で効果的な社会保障制度の推進

 すべての市民が、いかなる時にも安心して生活することができるよう、国民年金、国民健康保険や介護保険などの公的な年金・保険制度の意義について、市民の理解を深めると同時に、業務の効率化を進め、より効果的な制度の運営を目指します。また、国のセーフティ(安全)ネット※5の考え方など、社会保険における民間との連携・機能分担について効果的な方法を研究して、市民の自助努力を支援していきます。

※5「雇用の安心を確保する労働市場」「事後チェック社会に相応しい司法制度」「年金・医療・介護等、持続可能で安心できる社会保障システム」等(経済審議会答申より)


4. 安全で美しい和光の実現のために【市民生活】

(1) 地球市民の一人としての意識に基づく生きた緑と環境の保全

 市民の関心が高い和光市の水と緑はまちづくりには貴重な資源であり、その保全は本市の将来にとって極めて重要です。公園としての整備だけでなく、ありのままの形で残し、市民が触れられる“生きた緑”としての保全に努めます。私有地における各種の事業にあたっても、緑地の公共的意義を重視し、事業と自然との調和・共生を最優先するよう誘導します。さらに、市民と行政のパートナーシップにより、緑を創出するとともに、都市化による環境破壊への対応にも積極的に取り組み、環境配慮志向のライフスタイルへの転換を促します。

(2) まちを美しく保ち、市民が快適に過ごすための循環型社会の創出

 市民の誰もが、美しく清潔な環境で過ごしたいと願っています。しかしながら、近年の生活の多様化により、ごみの大量化・多種化はますます顕著となっています。これに対し、一層積極的に市民と行政の協働による循環型社会のシステムづくりとごみの減量化に努めます。さらに、廃棄物投棄の防止対策も推進し、市民とともにまちの美化・浄化活動を進めます。また、ダイオキシン等に対する対策を進めるとともに、広域的な廃棄物処理施設の整備を進めます。

(3) 誰もが安心して暮らすためのリスク・マネジメント※6と安全の確保

 和光市には、新しい高層の集合住宅が増えると同時に古い住宅もかなり残されていることに加え、大規模な工場・研究所も立地しており、災害発生時の消防、救急サービスに対するニーズは多様です。組織の広域化により、その体制及び設備は増強されており、周辺自治体と連携して、一層の機能強化に努めます。さらに、市内の危険箇所や避難経路を再確認し、地域防災計画に基づいて、適切な施設整備、地域防災組織の育成、市民の意識啓発などにより、市内の防災体制の向上を図ります。
 東京外かく環状道路や市街地整備などにより、市内の交通量は増え、交通の流れも変化しています。これに伴って交通渋滞や交通事故が増えており、市民の不便や不安は増大しています。生活道路や駐車場等の整備による交通安全対策を促進するとともに、交通道徳の普及、高揚にも努めます。
 さらに、まちの都市化に伴って増加している様々な犯罪に対し、市民と行政がともに地域防犯体制を構築し、子どもからお年寄りまで、誰もが安心して暮らせる明るい都市を目指します。

※6危機管理:様々な危機に対して、予防策だけでなく、万一のときにどのような対策をとるべきかを予め十分に検討しておくという考え方。

(4) いつも“ホッ”とさせてくれるコミュニティづくりの支援

 市民の転入転出が激しい和光市において、コミュニティにおける市民同士の信頼関係や連帯意識を築くことは安らぎのある生活を送る上で極めて重要です。多くの市民が参加したくなる、また、参加できる多種多様な自主活動を支援し、その組織や人材の育成なども積極的に推進します。こうした活動と有機的に連動しながら、地域の核にもなり得るように関連施設の充実にも努め、人間性を回復できる温かいコミュニティの形成を支援します。

(5) 時代に即応した消費者保護の推進

 生活の多様化や社会の変化により、消費生活における問題はますます複雑化しており、関係機関や団体との連携なくして、適切な対応は難しくなっています。特に、インターネットを介した流通形態の急速な普及などに伴い、消費者の個人情報管理が極めて重要な時代となっています。また、食品に含まれる化学物質の問題なども深刻化しています。専門家の協力を得て、相談体制を強化すると同時に団体の育成にも努め、消費者を巡る新しい問題への対応に取り組みます。


5. 創造的で力強い和光の実現のために【産業】

(1) 地域の個性を活かした商業・サービス業の振興

 和光市駅前の整備によって、駅前の商業集積は大型化し、市民の消費行動も変化しました。以前の都心や周辺地域への市民の購買力流出が抑制された反面、市内にある既存の小売店への打撃も少なくありません。単なる商業集積としてではなく、個人商店から大型商業施設までの多種多様な機能が有機的に連携する、にぎわいのある“まちの顔”づくりを進めます。また、市内の各地域に分散している近隣型商業地についても、その地域の特性や市民のニーズ、市全体での機能分担に配慮しながら、地域の中心としての整備を進めます。

(2) 次代を担う新しい産業や企業の支援と育成

 和光市の工業では、いくつかの大手企業の存在感が大きい一方、経済環境の悪化などにより、中小企業は減少を続けています。まちの基礎的な活力を維持するためにも、こうした中小企業に対する経営支援などを行います。また、交通利便性による優れた立地条件と市内に既に立地している高度な研究機関を活用し、先端技術を駆使した新しい型の工業・研究集積(情報工学など)の形成やベンチャー企業の育成・支援を進めます。市内の工場とも連携しながら、既存の住工混在問題の解消を促進します。

(3) 都市の特性を活かした農業の推進・支援

 都市化の傾向がますます強まる中、和光市における農業の位置付けや役割も変化しています。市内や近隣地域を消費地とする場合の、収穫日に消費者の手元に届く“新鮮さ”や物流コストがかからないことによる“安さ”、さらには、都心部向けに有機農法で作る“安全性”などの付加価値の高い都市型農業を推進・支援します。また、都市部に残る貴重な緑地としての農地の保全や都会に育つ子どもたちへの教育的役割、土とのふれあいを楽しむ人々への生きがいの提供など、都市における農地や農業のあり方の確立に努めていきます。

(4) 働くことの喜びや充実感の醸成

 経済の成熟化により、あらゆる雇用主体が合理化、効率化を一層強く推進しています。こうした社会背景の下、働くことを望む市民の誰にもその機会が与えられるよう、多様な就労情報の迅速な提供や職業訓練の促進に努めます。また、誰もが安心して楽しく働くことができるように労働環境の整備を促進し、中小企業の勤労者のための福利厚生施策を推進します。



VIII 構想推進のために

(1) 市民(住民/企業・NPO:非営利組織)と行政の協働

 人々の価値観や生活が多様化するに従って、日常における市民のニーズも多様化・複雑化しています。より多くのニーズに効果的に対応するために、事業の実施段階だけでなく、計画から実施、そして評価の各段階で市民が行政と議論できるシステムの構築に努めます。また、こうした機会を通して、まちづくりに対する理解を共通のものとし、市民と行政の日常的な協働によって、効率的な行政運営が図れるよう努めます。
 このためには、情報公開に基づく透明で公平・公正な施政環境が必要不可欠であり、従来の広報・広聴制度の充実だけでなく、情報公開条例に基づいた総合的で恒常的な情報提供体制の整備に努めます。この市民意向の把握と迅速な情報公開により、様々な事業や日常事務の効果や効率性についての評価を行っていきます。

(2) 体質転換による行政の自立

 市民ニーズの多様化や厳しい財政状況など、様々な時代の流れが絡み合う中で、人々の生活に最も身近な地域を所管する市町村への権限委譲が急速に進んでいます。この地方分権に耐えうる強固で柔軟な責任体制をつくり上げるために、組織の簡素化や企画調整機能の強化により、縦割り行政の弊害排除に努めるとともに、管理と評価のシステムを導入し、常に誰にもオープンな環境で最も適切な行政活動が行えるように、市の行政機能の質的向上を図ります。

(3) 経営感覚を取り入れた合理的財政運営

 長期的な目標の実現のためには、計画的な財政運営が不可欠です。企業の経営感覚を取り入れながら、コスト意識に基づいて弾力的で効率的な財政運営を推進します。また、和光市民の所得水準は比較的高く、大企業も立地しているため、市のこれまでの財政基盤はほぼ安定していたものの、今後の厳しい財政状況を勘案したとき、より多様できめ細かいサービスを提供していくためには、その財源の確保が一層重要となります。民間との機能分担と連携を進め、プライベート・ファイナンス・イニシアティブ(PFI)※7など、新しい考え方の導入についても検討を積極的に行っていきます。

※7民間資金等の活用による公共施設等の整備(平成11年7月施行PFI推進法より)

(4) 広域連携による行政運営の効率化

 21世紀における埼玉県の首都圏での位置付けも大きく変化することが予想され、和光市や近隣市の位置付けや結びつきもその中で変わっていくことも考えられます。本市は市民の生活圏域が分散しており、既に周辺の市や区の機能を日常的に利用している地域もあります。本市の行政サービスを効率的に提供するために、かつ、本市が担う広域的な役割を積極的に果たすためにも、近隣市と綿密に連携し、広域行政を推進します。

(5) 目標を明確にした戦略的な市政運営

 和光市が直面する課題を克服し、本基本構想が描く未来のかたちを実現するために、目標と優先順位を明確にした戦略的な市政運営に努め、水と緑を大切にしながら、誰もが快適に暮らせる地域づくりを進めていきます。

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担当名:政策課 企画調整担当

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