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第三次和光市総合振興計画 序論

2010年02月05日 15時14分

I 計画策定の趣旨

 和光市は昭和45年(1970年)に誕生し、平成12年(2000年)には市制30周年を迎えました。本市では、この間、昭和54年(1979年)に「第一次和光市総合振興計画」、平成3年(1991年)に「第二次和光市総合振興計画」を策定し、それぞれ「あおさみなぎる文化都市」、「みどり豊かな人間都市、和光」を将来都市像として、人と緑の触れ合いを大切にしたまちづくりを行ってきました。
 前計画策定以来10年を経て、和光市を取り巻く社会経済状況の変化に加え、東京外かく環状道路の整備、和光市駅南口周辺の区画整理や市庁舎・市民文化センターの建設などにより、市の姿も様変わりし、その課題も変質あるいは増大したり、新たな課題が出現したりしています。21世紀における大きな潮流を踏まえた上で、こうした課題を整理して、今後の対応策を導き出しながら解決の方向付けを行うと同時に、前計画に対する評価を行い、計画の意義を明確にする必要があります。
 そこで、前計画が計画目標年次とする平成12年度を迎え、改めて市民と行政が共に目指す都市像を明確化し、その実現に必要な施策をまとめるために、「第三次和光市総合振興計画」を策定します。

II 計画の構成

 本総合振興計画は、計画的、効率的な市政運営のための指針であるとともに、あらゆる行政施策・事業を調整する役割を持つものであり、以下の3つの部分より構成されています。

1. 基本構想:平成13~22(2001~2010)年度を期間とし、各種行政施策の最上位計画として、将来都市像と施策の大綱を定めます。

2. 基本計画:平成13~17(2001~2005)年度を前期計画期間とし、施策の大綱に基づいて、各施策を具体化し、体系的に定めます。

3. 実施計画:3か年間を計画期間とし、毎年度見直します(ローリング方式)。基本計画で定められた施策の効率的な実施を目的として、具体的な事業実施に係る年次計画とその財源的裏付けを定めます。各年度の予算編成の指針とします。


III 計画策定の背景

1. 我が国における社会・経済の動向

(1) 少子・高齢社会への突入

 我が国の人口は、少子化を原因として21世紀初頭をピークに減少に転じ、そのまま21世紀を通して減少を続けるものと見られています(平成10年版厚生白書より)。また、これと並行して、高齢化が一層進んでおり、全人口に占める高齢者人口の比率はますます増大していきます。

(2) 個の重視と多様化

 高度経済成長時代といわれた時期を経て、経済的、物質的な豊かさをある程度達成した日本の社会は、個人がそれぞれの心のゆとりを求める成熟段階に入っています。この結果、共通の目標に向けて進む画一的な社会から、それぞれの価値観に基づいて方向を選択する多種多様な社会へと変化しています。

(3) 経済活動の変容

 戦後の我が国は欧米諸国に追いつくことを目標として高度経済成長を達成したものの、徐々に低成長期に入り、バブル崩壊によって土地や金融システムに対する信頼は失墜しました。21世紀初頭には、社会や様々な性質の転換や成熟によって従来の経済システムが役目を終え、構造的な変革やその組替えが進みます。

(4) 国際化からグローバル化への展開

 冷戦時代を通じて、我が国と国際社会との関係は明確な境界線を持つ国家で規定されるものでした。ところが、冷戦後の社会では、人口・食糧問題、環境問題、人権や生命の問題など、国家や国民という従来の枠組みにとらわれない、“地球市民”としての個人同士が関わり合う“グローバル(世界)化”へと変化しています。

(5) 高度情報化

 コンピュータ・ネットワークや通信機器などが処理する情報の量と速度が向上することにより、物理的に移動することなく、膨大な情報の中から瞬時に必要なものだけを選んで、これを日常のあらゆる活動に利用することが可能となっています。ゆとりや豊かさを手に入れる機会が増えると同時に、情報を通じた不利益や弊害も時間や距離の壁を越えて伝わっていく時代となっていきます。

(6) 環境保全意識の高揚

 科学技術の急速な進歩と効率性や利益ばかりを追求してきたことによって、人類は大量生産、大量消費、そして大量廃棄を続けてきました。この結果、地球は自立的な再生が不可能なほどに傷つき、その影響は、我々自身の生活や身近な環境にも現れ始めています。我々はその当事者として、これまでの考え方や生活のあり方について、より真剣に考え直す必要に迫られています。

(7) 地方分権と住民参加

 地方分権が始まり、国から地方へ権限移譲がされたことによって、より自立的なまちづくりが可能になっています。しかし、厳しい行政運営の中で、地域の特殊性や多様化するニーズに対応したまちづくりを進めて行くために広域行政や合併が検討課題として挙げられており、幅広い情報公開の下に、市民が自らの意見を形成して自主的にまちづくりに参加することが必要です。市民が日常的に行政に関する情報に接し、行政のパートナーとして役割分担していくシステムが定着していきます。


2. 和光市の特性と課題

(1) 和光市の特性

 都心との交通の利便性の高まりとみどり豊かな住環境を両立している和光市は、基盤整備とともに駅前の商業集積が進み、東京の都市的機能と余暇時間を過ごす場としての魅力を体験できる“新しい街”のイメージが形成されています。
 本市では、過去20年以上にわたって人口は増加傾向にありますが、その特徴としては、(1)単身世帯あるいは少人数世帯の増加が大きいこと、(2)人口に占める20~30歳代の比率が高いこと、(3)転入転出が激しいこと、(4)職場が都心という人が増加していること、などがあげられ、ベッドタウンとしての性格が強くなっています。
 地域への帰属意識が比較的薄い若い世代が多いこととベッドタウン化の進行により、市民が共有すべきまちとしての個性や特色があいまいになっています。
 また、市民からの意見には、様々な都市機能が整備されていくことは好ましいことながら、その目指す方向が今一つ明確でないといった声も聞かれます。

(2) 和光市の課題


・ より快適で安全な都市機能の整備:和光市の市域は南北に長く、その中央部を東西に貫く形で鉄道が走り、駅南側には商業集積と市役所をはじめとする公共施設の整備が進んでいます。このため、南部や北部から駅周辺部へのアクセス改善、サービス享受の機会均等化が重要となっています。また、東京外かく環状道路や高規格の県道等の整備が進む一方で、市内の生活道路における危険性が増えています。残る都市機能の整備を進めると同時に、特に生活者の目線に十分に配慮しながら、その利便性を公平に配分するためにきめ細かな整備を進めていくことが課題といえます。

・ 美しくてやさしい環境の保全:利便性に優れた本市では、市街化・宅地化が進んでいます。人が増え、まちがにぎやかになる一方で、ごみの増加や水と緑の消失の要因ともなっています。残された水と緑をかけがえのない環境資源として保全するだけでなく、新たに創出していくことにも努めていく必要があります。また、環境への関心が高まる中で、ごみの分別やリサイクル活動などを通じて、環境にやさしいまちづくりを進めていこうとする動きが市民意識にも現れ、草の根的な広がりをもってきています。こうした市民運動を育て、都市の利便性と美しい自然環境が両立したまちづくりが必要です。

・ あらゆる世代が支え合う地域の創生:若年層が多い本市の人口構造や顕著な転入転出の傾向などと一致するように、若い夫婦の育児・教育を支援するための施設整備やシステム改善に対する要望も増えています。さらに、都市化にともなって、青少年の行動様式も変化しており、学校のみならず、地域全体で教育に取り組む意識も高まっています。一方で、確実に進んでいる高齢化も深刻に受け止めて、入れ替わりの激しい若い世代と長く市に住む住民の間の交流を促進するなど、できるだけ多くの市民が互いにかかわり支え合う地域をつくっていくことが必要です。

・ 個性あるまちづくりの方向性の形成:人口構造や人口動態から見ても明らかなように、和光市のベッドタウンとしてのイメージはより強まっています。市民一人ひとりの様々な生活の場面における満足度を高めるためには、単なる“ベッドタウン=寝るための場所”としてでなく、“ホームタウン=暮らしのよりどころ”としての総合的なまちのプロデュースが必要です。和光市らしさとは何なのか、広く市民と議論しながら、市民が「住んで良かった」と思えるようなまちを実現するための方向性を明確にしなければなりません。東京都への交通アクセスと市内の水や緑を活かすのはもちろん、本市に立地している様々な専門機関なども貴重な地域資源として和光市のまちづくりに活用していくことが課題です。

・ まちの性格/魅力を具現化する“まちの顔”づくり:本市の核として、和光市駅の北口・南口を一体的に整備していくために、本市の個性を再発見できるような魅力あるまちづくりの方向性を示すことが求められています。これを前提に、第二次総合振興計画推進中にほぼ終了した駅南口周辺地区における区画整理の次の段階として、駅北側の整備は、緊急かつ重要な課題となっています。駅南口についても、商店街の活性化を含めた、より明確な“まちの顔”づくりを促進することが必要になっています。

・ 市民と行政の協働と役割分担:都市住民の多様なニーズを満足させながら効率的に行政を運営するためには、市民(住民/企業・NPO*1)と行政との積極的な協働が必要です。その前提として、行政は積極的に情報を公開し、行政活動に関する説明責任(アカウンタビリティ)を十分に果たしていかなければなりません。情報と問題認識の共有化を下地として本市の恵まれた人的資源を活かした市民参加と市民自治を進め、市民と行政との間に信頼と理解と協力の関係を築き、分担と連携・協働による個性的で魅力あるまちづくりが必要です。

*1Non Profit Organization(非営利組織)の略。

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