平成29年度施政方針

2018年03月19日 09時21分

 平成29年3月定例市議会において、市長が述べた施政方針を紹介します。

・施政方針とは、向こう1年間の市長の市政運営に対する基本的な考え方や予算編成の基本方針、主要な施策等を説明したものです。

はじめに

 和光市は今、未来に向けて大きく動き始めています。
 7年9か月前、私は就任あいさつで、本市が全国でもまれな、すぐれたポテンシャルを持つ地域であること、そして、このまちの良さを十分に引き出し、埼玉一の市長写真住宅都市として、更に輝く和光市をつくることが私の使命である、と所信を述べさせていただきました。
 以来、市民の皆様、議会の皆様とともに語らい、ともに汗をかかせていただき、厳しい財政状況と向き合いながら、地域への未来投資である都市基盤整備の推進、地域住民の未来づくりである地域包括ケア、子ども・子育て支援をはじめとする福祉の充実、新設校の建設などに取り組み、お陰を持ちまして、それぞれ一定の進展を見ております。
 平成29年度は、更に明るい未来への流れを皆様とともに、より確かなものにする一年にしたいと考えております。

  4年前、和光市駅を基点とする東京メトロ副都心線の東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線との相互直通運転が開始され、本市は新たな発展のステージに立ちました。その後、東京外かく環状道路の東西への延伸による未整備区間、いわゆるミッシングリンクの解消や県が進める一般国道254号和光富士見バイパスの延伸計画の進展という『道路網』においてもより一層の利便性の向上が図られつつあり、これらの事業の推進により、本市は従来からの大きな懸案の解決に向け一歩前進するだけでなく、更なる飛躍のチャンスをつかもうとしています。
 都市基盤整備の分野では、一般国道254号和光富士見バイパスの延伸計画の進展に伴い和光北インター地区の東側において、産業拠点としての整備を望む声が多くなっており、昨年5月には(仮称)和光北インター東部地区まちづくり協議会が発足し、新たな土地利用に向けた取組が動き出したところです。
 市といたしましても同バイパスの延伸整備が実現したあかつきには、この地域が将来の市の発展を担う重要な地域の一つになるものと考えており、道路と一体となった沿線地域におけるまちづくりの実現に向け、引き続き関係機関へ働きかけを行うとともに、厳しい財政状況ではありますが、今後の更なる高齢化の進展や厳しさを増す子育て世代のニーズを支えうる税収の確保とともに、継続的な発展への展望による夢と希望が持てるまちを目指し、未来への投資として積極的に支援を行ってまいります。
 また、市役所に近接する広沢地区の国有地取得及び利活用の推進については、現在、民間活力の効果的な活用を図る枠組み等の検討を行っております。この事業では、国有地に隣接する児童センターの敷地を含め一体的な利用を目指しており、和光市公共施設等総合管理計画に基づき、児童センターや市民プール、認定こども園をはじめとする多機能を取り入れた複合施設としての整備を進め、本市における民間との連携事業の成功事例とするとともに、児童センターの建替えを起爆剤として、周辺地域の活性化を図ってまいりたいと考えております。
 児童センターの建替え事業に関連して、今後、重要施策の一つとして積極的に推進していかねばならないのが公共施設の老朽化対策であり、この施策は全国の地方公共団体の共通の課題ともなっています。これまで本市では、人口の増加や多様化する市民ニーズに対応すべく、公共施設の整備に取り組んでまいりました。一方で、現在本市の土木インフラを除く公共施設の約4割が建築後30年以上を経過し、全ての公共施設を維持していくためには、今後、多額の更新費用が必要となります。公共施設を便利に、安全にご利用いただくためには、適切に管理・運営する責務がありますが、歳入の減少及び歳出における義務的経費の増加が見込まれる将来の市の財政状況において、公共施設を現状のまま維持・管理することは、近い将来できなくなるというデータを公共施設等総合管理計画等で既にお示ししたところです。
 また本市は、高齢化時代の我が国において高齢化率16.9%という、全国的に見ても若い自治体ではありますが、高齢化は急速に進展しつつあり、地域包括ケアシステムの推進による高齢者福祉の充実と地域包括ケアの包括化、いわゆる子ども・子育て、障害者の分野への横展開を行っており、先進的な施策は全国的な注目を浴びる一方、歳出における福祉部門の占める割合は年々増加の一途をたどっています。
 今後におきましては、都市基盤整備という他の自治体ではすでに山を越えた施策と現代的な教育、子ども施策、高齢者施策への投資、さらには公共施設の再編という、財政的にも政策の優先度でも重要な課題にも対応していかなければなりません。そのためには、市民の皆様とともに、一つひとつの施設について議論しながら、これまでの行政では考えられなかったような既成概念にとらわれない自由な発想による解決策も選択肢に入れ、今後の姿を具体化していく必要があります。
 大切なことは、市民の皆様にも当事者として参画していただき、一緒に知恵を出し合うことだと確信しています。

 

平成29年度市政運営の基本的な考え方

 現在、政府は、「地方創生」や「1億総活躍社会の実現」を掲げ、人口減少と地域経済縮小の克服、まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立、あるいは、子育てや社会保障の基盤を強くし、それが更に経済を強くするという成長と分配の好循環を構築するとしています。一方で、平成25年4月に始めた大規模な金融緩和により物価上昇率2%の2年程度での達成を目指していた日本銀行は、目標達成時期の見通しを平成30年度頃に先送りするなど、個人消費と設備投資は低迷から抜け出せず、景気の回復は足踏み状態が続いており、主要企業への景気アンケートにおいても経済の好循環について疑問符が示されるなどまだまだ成長軌道に乗ったとは言い難い状況です。
 直近の経済報告においても、雇用・所得環境の改善が続くなかで、景気の緩やかな回復基調が示されていますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるとされています。
 このような中、本市の財政状況は、景気低迷の影響から歳入の根幹である市税収入が平成21年度を境に大幅な減少となりましたが、平成24年度以降は緩やかな景気の回復に伴う個人市民税の増加や、和光北インター地域土地区画整理事業をはじめとする投資的事業の進捗による固定資産税の増加等により、市税収入は4年連続の増加となっております。これに加え、平成26年4月の消費税及び地方消費税率の引き上げに伴う地方消費税交付金の大幅な増加等の要因もあり、平成28年度は平成22年度以来6年ぶりに普通交付税の不交付団体となるなど、歳入面における財政状況は一部には回復の兆しが出てきています。しかしながら、昨年開校した下新倉小学校の建設事業において多額の市債を発行したことにより市債残高は増加しております。
 歳出面に目を向けると、良好な住環境、ビジネス環境を形成するための土地区画整理事業や公園整備、介護、障害、子ども・子育て、生活困窮等の福祉サービスを包括的に提供するための体制整備や施設整備の他、安心して学校生活を送るための学校施設の非構造部材耐震化工事やトイレ改修工事などを積極的に推進してきたことから、歳出予算規模は拡大傾向にあります。さらに、高齢化の進展などに伴う社会保障関係経費の増加、公共施設等の老朽化及び土地区画整理事業への対応に加え、長年の懸案事項でもある広沢地区の国有地取得及び利活用、一般国道254号和光富士見バイパスの都内延伸に伴う沿線地域の一体的整備や都市計画道路をはじめとする道路交通網の検討など、新たな財政需要が予想され、歳出の増加傾向は続くものと考えております。
 このようなことから、平成29年度においても非常に厳しい財政運営が予想されますが、より良い未来を選択するため、将来に向けた積極的な投資や先駆的な取組を推進するとともに、新たな財源の確保や聖域無き既存事業の見直しを行ってまいります。市民の皆様からの負託に応えるため、引き続き、「選択と集中」の考え方に基づき最少の経費で最大の効果を上げる行政経営を行ってまいります。

予算及び主要な施策の概要

  このような考えの下で編成しました平成29年度一般会計当初予算案は、前年度当初予算から0.04%、1,000万円増の245億3,500万円となっております。 
 また、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、和光都市計画事業和光市駅北口土地区画整理事業の4つの特別会計の合計は、前年度に比べ5.3%、6億7,054万1千円増の132億4,934万3千円となっております。

 続きまして、第四次和光市総合振興計画基本構想における施策体系の基本目標に沿って、主要な施策の概要について説明いたします。

基本目標Ⅰ 快適で暮らしやすいまち(都市基盤)

 快適な住環境の創出及び交通の利便性を生かした産業拠点の整備について、それぞれの地域の特性を生かした総合的な都市機能の整備を推進してまいります。

 初めに、今年度も重点施策として掲げている中心市街地にふさわしい駅北口周辺の整備については、東京外かく環状道路の東側の地区において道路築造等の工事が着実に進んでおり、引き続き地権者との合意形成を図りながら建築物等の補償調査及び補償交渉を行い、駅北口土地区画整理事業を推進してまいります。北口駅前交通広場周辺の整備については、地権者の皆様とご相談しつつ、土地利用高度化推進の検討を進めてまいります。
 また、東武鉄道株式会社が建設を予定しております(仮称)和光市駅南口駅ビルについては、駅直結の商業施設として、市の新たな賑わいの拠点となることが期待されており、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、平成31年度内の完成が予定されております。この商業施設の整備と併せてバリアフリーの観点からも利用しやすい駅舎となるように、同社に対し、市として強く要望してまいります。
 次に、交通の利便性を生かした産業拠点の整備については、和光北インターチェンジ周辺では、東京北部郵便局に続き、大規模な物流施設の建設工事が始まるなど、今後の本市の産業振興の拠点にふさわしい開発が進められております。
 次に、良好な居住環境の形成については、組合施行による区画整理事業として、白子三丁目中央土地区画整理事業では、事業全体の早期完了を目指し、建物移転等に伴う補償、道路築造及び宅地造成等の事業の円滑な推進に向け、引き続き支援してまいります。越後山土地区画整理事業では、予定している平成31年度の事業完了に向けて、道路築造及び移転補償を推進するため、引き続き支援してまいります。中央第二谷中土地区画整理事業については、平成28年度に工事等が終了し、平成29年度以降は清算事務に移行していくことから事業の終息に向けた支援を行ってまいります。
 次に、安心して暮らせるまちづくりの推進については、中央土地区画整理事業施行区域内に長期未着手となっている区域があることから改めて現状を把握し、市としての今後のまちづくりの方向性の検討に着手してまいります。また、都市計画道路を含む市内幹線道路についても、一般国道254号和光富士見バイパスの延伸計画との整合性を図るための見直しを行ってまいります。
 次に、安全で快適な道路の整備については、越後山通りにおける歩道の拡幅を行うなど、引き続き狭あい道路の拡幅を含む市内道路の整備等を緊急性や優先度を考慮しながら進めてまいります。
 次に、道路、橋りょうなどの維持管理については、平成29年度から平成31年度までの3年間の事業として、芝宮橋の架け替え工事に県の新河岸川改修事業と連携して取り組んでまいります。また、道路、橋りょうの現状を的確に把握し、効率的に長寿命化及びライフサイクルコストの低減を図っていくため、引き続き橋りょう点検、道路調査、路面下空洞化調査及び路面性状調査を実施してまいります。
 次に、交通安全対策の推進については、市内にある約3,500基の街路灯全てにLED照明を導入し、ランニングコストを減らすとともに、夜間における歩行者の安全性の向上を図ってまいります。また、引き続き通学路安全対策を実施し、児童・生徒の通学環境の向上を図ってまいります。なお、市が直接実施する事業ではありませんが、平成29年4月1日から和光市駅北口立体自転車駐車場が営業を開始することにより、和光市駅周辺の放置自転車の減少と、駅南口自転車駐車場における定期利用の待機者の解消が図られるものと期待しております。
 次に、計画的な公園の整備と維持管理の充実については、平成27年に廃止となった上谷津児童遊園地の代替として整備を進めている(仮称)上谷津公園については、既に用地を取得し、公園の在り方を市民の皆様とともに検討する市民ワークショップも開催し、公園整備の方向性も固まったことから、平成30年度の開園に向けて整備を進めてまいります。また、アーバンアクア公園については、引き続き運動施設の整備を進めるとともに、今後については部分的に供用開始が可能になるよう、休憩施設や管理棟の整備についても取り組んでまいります。
 次に、安全な水の安定供給については、平成28年度中に第三配水池が完成する予定ですが、今後は更なる安心安全な水質の維持と安定した供給の堅持を図るため、和光市水道ビジョン及び施設更新計画に基づき、南浄水場、酒井浄水場において必要な更新工事を行うとともに、給配水管についても老朽化した管路や地震動に脆弱な管路の布設替えを順次行い、管の耐震化を進めてまいります。
 次に、雨水対策の推進については、平成26年に市内においても甚大な被害が発生した局地的集中豪雨への対策として、越戸川第1号雨水幹線整備工事をはじめとする雨水幹線整備工事を実施し、引き続き下水管きょの整備を積極的に進めてまいります。

基本目標Ⅱ 自ら学び心豊かに創造性を育むまち(教育・文化・交流)

 和光市教育大綱で定めた「学びの基礎となる確かな学力の習得と、社会性を育む義務教育の推進」、「地域特性を生かし、生涯継続する学びを支援する社会教育の推進」、「福祉、コミュニティ施策との密接な連携による地域・家庭教育の推進」の3つの基本方針に基づき、引き続き教育委員会と連携し、基本理念である「生涯にわたる自発的な学びと、豊かで健やかな人生の実現を支援する教育」の実現を目指し、各取組を進めてまいります。

 初めに、確かな学力の育成を目指した教育の推進については、個に応じた指導を充実するため、小学3・4年生の35人学級の実施や外国語指導助手及び学力向上支援教員の配置など、充実した指導体制を継続してまいります。また、学習指導要領が、小学校部分については平成30年度から、中学校部分については平成31年度から、それぞれ一部改正が実施されます。改正後の学習指導要領に基づいた教育に速やかに対応できるように、各種研修等を通じて教員の指導力の向上を図ってまいります。分かる授業、楽しく学べる授業づくりとして、引き続き各校にコンピューターインストラクターを派遣し、パソコン等の機器を活用したICT教育を進め、高度情報化社会に対応することのできる情報活用能力の基礎を育成してまいります。また、児童・生徒の国語力の基礎となる「読む力」、「書く力」を育むため、引き続き図書館アドバイザーを配置し、児童・生徒が本に親しむことができる学校図書館の環境整備を進めてまいります。昨年度開校した下新倉小学校では、複合施設として図書館分館が隣接しているというメリットを最大限に生かした取組を進めてまいります。
 次に、地域と連携した教育の推進については、これまでも学校評議員制度により保護者や地域住民の意見を広く聴取し、学校運営に取り入れてまいりましたが、今後は、学校と保護者や地域住民との情報共有や連携が更に深まり、地域住民等の理解と協力を得た学校運営や学校と地域の連携による防犯・防災体制の充実など、様々な効果が期待できるコミュニティ・スクールの小学校への導入を推進してまいります。
 次に、よりよく適応するための支援体制づくりの推進については、児童・生徒及びその保護者が抱える各種の悩みや課題について、きめ細かな対応を図るため、高いスキルを身に付けた教育相談員、さわやか相談員、発達支援相談員等を配置し、就学前の育成保育との接続に配慮しつつ、充実した教育相談等の体制を継続してまいります。
  次に、放課後児童の居場所づくりの推進については、小学校全校で実施している放課後子ども教室を継続するとともに、現在、第四小学校と新倉小学校の2校で実施しているわこうっこクラブを北原小学校でも実施することにより、放課後における児童の居場所の更なる拡充を図ります。
次に、安全でおいしい学校給食の充実については、各校の老朽化した調理器具、食器等を適切に更新するほか、第三中学校給食室空調機設置工事を実施し、給食提供体制の充実を図ります。
 次に、安全な学校教育環境の整備については、教育施設・設備の整備と適正な維持管理として、広沢小学校、北原小学校、第二中学校において非構造部材耐震化工事を実施してまいります。この3校の非構造部材の耐震化工事をもって、市内の小学校、中学校については、全校において耐震化が完了となります。
 次に、小中学校の配置・規模の適正化の推進については、昨年12月22日に開催した平成28年度第二回総合教育会議における教育委員会との協議に基づき「和光市立中学校の配置・規模に関する基本方針」を策定したところです。基本方針では、市立中学校の配置について、年少人口の近年の推移と将来推計等から原則として現行の3校体制を維持するものとしていますが、今後のまちづくりの進展により生徒数の増加が見込まれる場合など、特別な事情が生じた場合は、和光市駅北側への中学校の配置について改めて検討するものと定めております。今後におきましては、この基本方針に基づき、通学区域の変更の実施に向けた取組を早急に進めてまいります。 
 次に、重点施策である充実した生涯学習機会の提供については、生涯にわたり学び続けたいという市民の学習意欲に応えるため、和光市民大学講座、子ども大学わこうなどの生涯学習講座、図書館や公民館での各種講座においては、市民の多様な学習ニーズに的確に対応した講座を開催してまいります。
 次に、創造的な文化の振興については、市民文化センターの指定管理者である和光市文化振興公社との共催等により、和光市ゆかりの童謡詩人・清水かつらの詩人としての心を受け継ぐとともに、日本の歌の振興に資するため、「清水かつら記念 童謡フェスティバル」等日本の心の情景を歌う公演を実施いたします。さらに、陸上自衛隊東部方面音楽隊やプロの音楽家と連携して、市内の小中学校や福祉施設へのアウトリーチによる演奏活動を引き続き展開し、市民文化センターで開催される演奏会を鑑賞する機会の少ない青少年や市民に対しても、市内の様々な場所で良質の音楽を聴くことができる機会を設けてまいります。
 次に、スポーツ・レクリエーション活動の推進については、和光市スポーツ推進計画に掲げた「一市民一スポーツ」の実現を目指し、教育委員会及び体育協会との連携により、市民がスポーツに親しむ機会として、市民体育祭、市民ロードレースフェスティバル、スポーツ体験フェスタ等の各種スポーツ事業を引き続き開催してまいります。
 次に、人権啓発・教育及び平和の推進については、戦争の悲惨さと平和の尊さを再認識し、平和への願いを次世代へ伝えるための平和祈念事業を実施してまいります。
 次に、国際化の推進については、平成29年度は姉妹都市であるロングビュー市の市民の方々が本市にお越しになることから、交流が一過性のものではなく継続して行われるように、市民レベルでの交流が深まるような取組を企画してまいります。

基本目標Ⅲ 健やかに暮らしみんなで支え合うまち(保健・福祉・医療)

 市民の誰もが生涯にわたり生きがいを持ち、健やかで安らぎのある暮らしを送ることができるよう、妊娠期を含めた子どもから高齢者までの全ライフステージにおける様々な地域課題を解決するため、高齢者介護、障害者福祉、子ども・子育て支援、生活困窮者施策を一元的にマネジメントする「地域包括ケアシステムの包括化」の実現を目指します。
 さらに今年度は平成30年に実施される介護報酬と診療報酬の同時改定に代表される医療と介護の一体改革に向け、介護保険、障害者、子ども・子育て支援及び医療等の各施策において、事業計画の策定と見直しが行われます。いわゆる「団塊の世代」が75歳に到達する2025年を見据え、医療や介護が必要な状態になっても、可能な限り住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる環境の整備と包括ケアマネジメントを推進してまいります。
 また、東京オリンピック・パラリンピックによる国民の健康づくりに対する意識高揚の機運を捉え、高齢者、障害者の健康づくり施策にも積極的に取り組んでまいります。
 これらの取組には、教育との連携が不可欠であり、教育大綱に掲げた基本方針を踏まえ、総合教育会議を通じて教育と福祉による連係施策の具体化を図ってまいります。

 初めに、重点施策である多様な保育サービスの推進では、児童福祉と子育て支援の更なる充実を図るため、本年1月から新たに子どもあんしん部を設置し、母子保健、児童手当等を所管する「ネウボラ課」、教育・保育給付費等を所管する「保育サポート課」、教育・保育施設等の整備、指導監督等を所管する「保育施設課」の3課体制を整備しております。待機児童の解消と保育サービスの充実に向けて、子ども・子育て支援事業計画に基づき、民間保育所の誘致や家庭保育室から小規模保育事業所への移行支援等を進めてまいります。
 また、待機児童対策を効果的に推進するため、4月から新たに送迎保育ステーション事業を開始し、小規模保育事業所から保育園への移行に伴い、自宅から遠方の保育園に通園することになる児童の保護者の負担軽減を図るため、新たな送迎保育サービスを提供してまいります。
 次に、安心で楽しい育児の推進、及び地域における健やかな子育ての実現については、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を行う「わこう版ネウボラ」を更に機能的なものとするため、市内5か所に設置した子育て世代包括支援センターを拠点に医療、保健、福祉の効果的連携を図り、地域における子育てに関する課題を的確に捉えるとともに、母子保健ケアマネジャー、子育て支援ケアマネジャーによる相談事業、産前・産後ケア事業等の充実・強化を推進してまいります。
 次に、子育て家庭への経済的支援については、乳幼児医療費や子ども医療費による子育て家庭の医療費負担軽減のための助成を引き続き行うとともに、教育訓練給付等の支給により、ひとり親家庭の経済的自立を支援してまいります。
 次に、高齢者の生きがいと社会参加への支援については、介護保険法に基づく通所介護事業及び介護予防・日常生活支援総合事業により、高齢者の介護予防の促進、自立支援に加え、地域において自助と互助の力を高める取組により、来たる2025年に向け、元気高齢者の多いまちづくりを一層推進します。
 次に、きめ細かな介護予防の推進については、地域包括ケアシステムの確立による介護保障と自立支援の更なる発展を目指し、「介護予防」と「要介護度の重度化予防」、「在宅介護と在宅医療の連携強化」、「自立支援を基本とする包括ケアマネジメントの推進」等、認知症高齢者の全ての状態に対応することができる地域体制の構築など、取組の更なる充実と機能化を図ってまいります。
 次に、介護サービスの適正な提供については、地域包括ケアシステムが、ニーズに応じた住まいの確保を前提としていることを踏まえ、「長寿あんしんグランドデザイン」に基づくサービス提供基盤整備を進めてまいります。なお、南エリアにおいては、本年2月にグランドデザインに基づき整備した、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所等を併設したサービス付き高齢者向け住宅が開所したところです。
 次に、重点施策であるチャレンジドが安心できる障害福祉の推進については、チャレンジドの一人ひとりに合ったサービス提供体制を整備し、チャレンジドの自立、共生、社会参加、社会貢献等を目指すとともに、引き続き相談支援専門員等の配置による相談支援体制の充実を図り、チャレンジドの自立した生活を支援してまいります。
 また、第四次和光市障害者計画及び第4期和光市障害福祉計画に基づき、「住み慣れた地域で自立した暮らしを継続するための支援体制等の整備」、「チャレンジドが地域や社会の一員として学び、働くための支援」及び「地域包括ケアを念頭においた共生型社会の実現」を目指し、自立して生活できる住まいの確保、就労支援の促進、障害者サービスと医療の連携等各種施策に取り組んでまいります。
 次に、地域で支え合う福祉の推進については、地域における課題を地域の互助力により解決するための組織として、地区社会福祉協議会の設立を支援することにより、自助・互助・共助・公助を基本とした地域福祉を推進します。平成28年度は2か所の設立支援を行い、今年度は更に2か所の設立を目標としております。地区社会福祉協議会に対する市の支援は、介護保険特別会計における地域支援事業として実施してまいります。
 次に、低所得者の生活の安定と自立への支援については、昨年度策定した和光市生活困窮者自立支援計画に基づき、生活困窮者及び生活保護受給者の方々が地域の中で社会的に孤立することなく暮らし続けていけるよう、専門的な支援体制を強化し、ケアマネジメントの手法を導入することにより、自立相談支援、住居確保支援、一時生活支援等の各取組を推進してまいります。
 また、教育との連携により、次世代への貧困の連鎖を断ち切るための取組として、小学校4年生から中学校3年生までの生活困窮家庭の子どもを対象とした学習支援「アスナル教室」を、引き続き実施し、生活支援を含む世帯支援を推進してまいります。
 次に、健康な次世代を育む母子保健の推進及び安心できる健康づくりの推進については、和光市健康づくり基本条例に基づき、各種健診事業の機能化を図り、受診率の向上はもとより、未受診者に対する的確なフォロー体制を構築し、リスクを有する方などの個別課題の早期発見や医療費の適正化等、より具体的な政策効果が得られるよう事業を推進してまいります。
 次に、地域との連携による保健・医療体制の推進については、安心安全な救急医療体制を確保するため、医師会及び医療機関との連携により、引き続き休日診療、夜間診療、小児救急の医療体制の充実を図ってまいります。

基本目標Ⅳ 安らぎと賑わいある美しいまち(生活・環境・産業)

 昨年4月に発生し、震度7を二回観測する激しい揺れにより熊本県内各地に甚大な被害をもたらした平成28年熊本地震を教訓に、改めて市民一人ひとりの自助・共助の意識づくり、地域における自主防災組織の活動を通じた自主的な防災体制づくりの促進等により、安全で安心して暮らせるまちづくりを推進してまいります。

 初めに、今年度新たに重点施策とした防災体制・消防支援体制の強化では、防災施設整備として、防災行政無線固定系子局のデジタル化への改修を行ってまいります。
 次に、地域と連携した防犯対策の推進については、引き続き、青色防犯パトロールの運行、防犯リーダー養成講座及び防犯講演会の開催により、市民の防犯意識の向上を図ってまいります。
 次に、コミュニティづくりの推進については、各自治会や自治会連合会の活動、コミュニティ協議会の各委員会の活動を支援することによりコミュニティ意識の醸成を図ってまいります。
 次に、コミュニティ施設の整備については、現在、各コミュニティ施設は、地域住民等で構成される管理協力委員会との協働により、利用者が安全に、安心して、気持ちよく利用できる環境づくりが進められておりますが、施設の老朽化、設備の経年劣化への対応費用が増加していることから、和光市公共施設等総合管理計画に基づき、コミュニティ施設の今後の在り方について検討を進めてまいります。
 次に、鉄道・バスの利便性の向上については、昨年3月、和光市駅に東上線初の転落防止のための可動式ホーム柵が設置され、和光市駅利用者の安全性を飛躍的に向上させることができたことは、市長就任後、実直に行ってきた要望活動の成果であると認識しております。和光市駅については、南北自由通路へのエスカレーター等の設置など更なる利便性の向上とバリアフリー化の推進を求める市民の声も多いことから、東武東上線改善対策協議会等を通じた要望活動に加え、東武鉄道株式会社の商業施設整備に併せて要望し、その実現を目指してまいります。
 次に、消費者保護の充実と消費者力の強化については、悪質商法や振り込め詐欺などの手口が年々複雑巧妙になっていることから、各イベントや市の事業など様々な情報提供の機会を通じて、消費者の意識啓発を図り、消費生活における安心安全の確保に向けた取組を引き続き行ってまいります。
 次に、環境保全対策については、従来からの取組を継続して行っていくとともに、地球温暖化対策の啓発、雨水の有効活用についての啓発に力を入れてまいります。
 次に、重点施策である廃棄物の適正処理の推進については、粗大ごみ戸別収集の処理手数料の納付については利便性の向上を図るため、新たに粗大ごみシールによる納付方法の導入を行ってまいります。また、清掃センターの適正な修繕整備等により、安定的なごみ処理の継続を図るとともに、将来におけるごみ処理施設の在り方について検討を行ってまいります。
 次に、市の特色を生かした地域ブランドの推進については、本市の冬の風物詩として市内外に定着し、和光市商工会と共催で実施している日本最大級の鍋料理コンテストである「ニッポン全国鍋グランプリ」や和光の風土、歴史、素材を生かしたアイデア溢れる商品などを認定している「和光ブランド」について、引き続き様々なPR活動を展開し、本市の知名度・イメージの向上を図ってまいります。
 次に、中小企業の育成支援、及び魅力ある新たな産業の推進については、引き続き工場等移転利子補給補助金制度の活用等により新産業地区への誘致を促すなど、和光市商工会と連携した取組を進め、市内における創業の促進を図ってまいります。
 次に、都市農業の推進と担い手の育成については、都市農業の在り方が見直されている中で、支援制度の周知等により地域農業の担い手となる認定農業者などの育成、確保を図ってまいります。また、木曜市、軽トラ市の実施に加え、和光農産物直売センター、市内の庭先販売所や農業者が行う収穫体験事業等の取組を積極的に周知し、農産物の「わこ産わこ消」を推進してまいります。
 

 以上、平成29年度の市政運営の基本的な方針及び主な施策の概要を述べさせていただきました。

むすび

  さて、私の2期目の市長選で掲げさせていただいた政策公約は55項目に上ります。その実施状況はホームページ等に公表させていただいておりますが、31項目についてはすでに実施し、国の制度や社会状況の変化により実施を取りやめた3項目を除く残りの21項目についても進捗状況にはそれぞれ差があるものの、実現に向けて誠実に取り組んでいるところです。
 本市では、市民の平均年齢も若く平成47年頃まで人口増が続くと推計されておりますが、高齢者の割合は確実に増加していきます。国全体を見ると、これから10年間で人口は700万人減り、15歳から64歳の生産年齢人口が7000万人まで落ち込む一方で、65歳以上の人口は3500万人を突破すると予想されています。2025年の日本は、団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という「超・超高齢社会」が待ち受けています。これから我々が直面する社会状況は、特効薬のない、これまで誰も体験したことのない非常に厳しいものと予想されますが、市民一丸となって先進的な地域福祉施策を更に推進するとともに、地理的位置の優位性などの優れたポテンシャルを生かすならば、本市はこの厳しい状況にあってなお、快適環境都市として小さくても燦然と輝く首都圏の星となることでしょう。
 先ほど申し述べた、新元素「ニホニウム」の生成においては、亜鉛の原子核とビスマスの原子核との衝突を400兆回も繰返すなど9年もの長い歳月を要しましたが、発見チームの中心人物である森田浩介グループディレクターは、発見した時の気持ちを尋ねられた際に「待っていれば、絶対に来る。」そうお答えになったそうです。30年近い年月を超重元素の研究に捧げてきた研究者ならではの言葉であり、「あきらめずに挑戦し続ける」という森田氏の姿勢に大変感動をいたしました。
 本市の行政経営においても課題は山積しておりますが、私も「あきらめずに挑戦し続ける」この姿勢で市政運営に全力で取り組んでまいる所存であります。

 むすびに、市民の皆様並びに議員の皆様の各般にわたるご支援、ご協力に改めて深く感謝を申し上げるとともに、平成29年度に掲げました各施策の推進に対し、更なるご支援、ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げまして、平成29年度の施政方針とさせていただきます。

お問い合わせ

担当名:政策課 企画調整担当

住所:〒351-0192 和光市広沢1-5 市役所3階

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