平成28年度施政方針

2017年02月27日 14時12分

 平成28年3月定例市議会において、市長が述べた施政方針を紹介します。

・施政方針とは、向こう1年間の市長の市政運営に対する基本的な考え方や予算編成の基本方針、主要な施策等を説明したものです。

はじめに

市長写真 平成25年5月からの私の2期目の任期も、早いもので残すところ1年余りとなりました。平成28年度は、実質的には任期の総仕上げとなります。1期目から取り組んできました下新倉小学校の開校、市の技術援助により組合施行として実施している和光北インター地域土地区画整理事業及び白子三丁目中央土地区画整理事業等の大きな進捗、さらには市施行として実施している和光市駅北口土地区画整理事業の本格的な事業の進展、介護保険を中心とした地域包括ケアの充実など、市民の皆様のご理解のもと、和光市政は厳しい環境下においても着実によりよい未来へと進んでおります。平成28年度はまた、当市にとって長年の懸案事項であった道路行政上の2つの課題が解決に向け大きく動く年でもあります。ひとつは、国と東日本高速道路株式会社による東京外かく環状道路大泉インター以南の工事が始まること、もうひとつは一般国道254号和光富士見バイパスの板橋方向への延伸について、関係各機関のご協力のもと、正式な実施計画に向けての検討が始まっていることであります。この2点が進展し、解決されることにより、当市を取り巻く道路交通事情は激変し、当市は首都圏の流通網における要衝としての位置がより強固なものになるものと考えております。
 振り返りますと、平成27年度は「地方創生」をキーワードとして、当市の置かれた状況を改めて数値的に確認するとともに、得られた知見を基に当市の中長期的な戦略を再確認する1年でした。
 政府は、平成26年末に「まち・ひと・しごと創生法」を定め、平成72年(2060年)に総人口1億人を維持するための「長期人口ビジョン」と向こう5年間の「総合戦略」を取りまとめました。これに基づき、全国の地方自治体が地方版の「人口ビジョン」と「総合戦略」を平成27年度中に策定することが努力義務とされました。一方で、「一億総活躍社会の実現」という新たな政策目標として、「希望を生み出す強い経済」、「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」を3本の柱として掲げ、その両者が連携することで子育て支援等により「強い経済」を実現するなどの「成長と分配の好循環」を強固なものとし、制度の拡充や施策の充実を検討することが重要であるとしています。
 本市においても、「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、本市の課題や強み等を考慮し、第四次和光市総合振興計画との十分な整合性を図りながら「和光市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定したところであります。人口推計では、全国においては平成20年をピークに、埼玉県においては平成27年をピークに人口が減少するとされる中、本市では、緩やかながら平成47年頃までは、人口が増加するものと推計されております。しかしながら、人口に占める高齢者の割合は確実に増加し、平成72年における65歳以上の老齢人口の割合は、現在の16.6%から約25.9%とおよそ10ポイント増えると推計され、高齢化の進展と生産年齢人口の減少に伴う市税収入の減少により市の財政や地域経済が縮小し、それによるまちの活力への影響は、極めて大きいものになると懸念しております。今後、市税を中心とする自主財源の減少が見込まれる中、国・県等の補助金等といった依存財源についても、これまで以上に情報収集に努め、所要の財源を確保しなければなりません。また、地方創生をさらに深化させることを目的として新たに創設される「地方創生の深化のための新型交付金」についても積極的な活用を図り、和光市総合戦略に掲げた将来にわたりまちの活力を維持していくための各施策を確実に推進してまいります。
 現下の経済情勢は、一部においてはいわゆる「経済の好循環」が生まれ始めておりますが、個人消費や設備投資等には弱さも見られ、人口減少・高齢化やグローバル化への対応の遅れなどの中長期的な課題を抱える地方においては、「経済の好循環」をいまだ十分には実感しきれない状況にあります。また、直近の経済報告でも、中東情勢の緊迫化や原油価格の下落による世界市場の減速懸念が高まる中、日本経済の先行きについても不透明感を払拭できず、依然として海外景気の下振れによる日本経済の景気後退について留意する必要があるとされております。
 このような状況の下、国の経済状況や今後の税制改正により、地方税等の歳入が減少することが見込まれる事態を考慮すると、本市においても諸課題に対する財政需要の増大とは裏腹に、引き続き、厳しい財政状況が続くことを見据えて市政運営に当たっていくことを覚悟しなければなりません。

平成28年度市政運営の基本的な考え方

 このような中で迎える平成28年度は、中間見直し後の第四次和光市総合振興計画基本構想がスタートする年でもあります。これまでの前期5年間の各施策の進捗状況を確認し、残された課題や新たに生じた課題に的確かつ迅速に対応するため、全庁的な体制で十分に協議を行い、市民参加も取り入れながら見直しを行ってまいりました。計画期間である今後の5年間におきましても基本構想に掲げている将来都市像の実現に向け、市民の皆さまとの協働により着実に計画を推進してまいります。
 また、本市では、「和光市健全な財政運営に関する条例」の制定以降、計画的な財政運営の仕組みを構築し、将来の世代に過度な負担を残すことのない安定した財政運営を確保することを基本に、この条例に基づいた具体的な取組として、使用料の見直しなどを行ってきたところですが、依然として厳しい財政状況が続いております。平成28年度におきましては、これまでの取組に加え、市の有する債権を適正に管理するため、債権管理指針の策定及び債権管理に関する条例の制定に取り組んでまいります。この制定を機に、私債権のみならず、市民税などの市税等、また介護保険の保険料など、法令等に基づく公債権についてもこれまで以上に適正な徴収、管理に努め、負担の公平性の確保に努めてまいります。
 非常に厳しい財政状況においては、“選択と集中”の考え方のもと、身の丈にあった規律ある歳出構造の実現と、真に必要性、重要性の高い施策に限りある経営資源を適正に配分し、活用することにより、どのような状況にも対応可能となる財政基盤を作り上げ、将来にわたって市民の皆さまに質の高い安定した行政サービスの提供を行う必要があります。
 平成28年度和光市行政経営方針では、安全・安心なまちづくりを推進するため、「都市基盤整備」、「公共施設等の整備と保全」、「地域包括ケアを基盤とした社会福祉施策」、「和光市教育大綱の基本方針」を4本の柱とし、駅北口土地区画整理事業の推進による「中心市街地にふさわしい駅北口周辺の整備」、下水管きょの整備による「雨水対策の推進」、老朽化した焼却施設の補修による「廃棄物の適正処理の推進」、公共施設等総合管理計画に基づく「市有施設の適切な保全」、本市が全国に先駆けて実践している地域包括ケアによる「多様な保育サービスの推進」、「チャレンジドが安心できる障害福祉の推進」、本市独自の少人数学級、学力向上支援教員の配置による「確かな学力の育成をめざした教育の推進」、地域特性をいかした社会教育の推進による「充実した生涯学習機会の提供」の8施策をそれぞれ重点施策と位置づけ、優先的な取組として選定したところであります。これ以外の施策についても、行政経営方針に掲げた方向性を再度確認した上で、全ての施策、事業について“選択と集中”の考え方を予算編成に反映しております。 

予算及び主要な施策の概要

 このような考えの下で編成しました平成28年度一般会計当初予算案は、前年度当初予算から8.5%、22億8,400万円減の245億2,500万円となっております。
 また、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、和光都市計画事業和光市駅北口土地区画整理事業の4つの特別会計の合計は、前年度に比べ0.6%、7,778万8千円増の125億7,880万2千円となっております。

 続きまして、第四次和光市総合振興計画基本構想における施策体系の基本目標に沿って、主要な施策の概要について説明いたします。

基本目標Ⅰ 快適で暮らしやすいまちづくり(都市基盤)

 快適な住環境の創出及び交通の利便性をいかした産業拠点の整備について、それぞれの地域の特性をいかした総合的な都市機能の整備を推進してまいります。
 まず、今年度も重点施策として掲げている中心市街地にふさわしい駅北口周辺の整備のうち、和光市駅北口土地区画整理事業では、引き続き地権者との合意形成を図りながら事業を推進するため、建築物等の補償調査及び補償交渉を行い、順次移転、宅地造成及び区画道路の築造等の事業を実施してまいります。北口駅前交通広場の整備につきましては、駅北口土地区画整理事業の進捗に併せて整備を行ってまいります。また、市が直接実施する事業ではございませんが、平成28年までの東武グループ中期経営計画では、和光市駅に駅直結の商業施設の建設が掲げられております。この商業施設については、本市の商業振興また玄関口として訪れた人に与える市のイメージ等へ大きな影響があるものと考えており、市といたしましても、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催も見据え、早期完成に向け可能な限り協力してまいりたいと考えております。
 このほか、組合施行による区画整理事業については、今後の本市の産業振興の起爆剤と期待される和光北インター地域土地区画整理事業では、平成28年度の事業完了に向け、4か所の公園整備、換地処分に関する業務を実施するための補助金を計上しております。白子三丁目中央土地区画整理事業では、事業の早期完了を目指すため、引き続き建物移転等に伴う補償、道路築造及び宅地造成等の事業の円滑な推進に向け、支援してまいります。越後山土地区画整理事業につきましては、引き続き道路築造及び移転補償を推進するため、事業の進捗に合わせ、補助金を計上しております。中央第二谷中土地区画整理事業につきましては、平成28年度に工事等が終了し、平成29年度以降は清算事務に移行していくため、事業計画に沿った支援を行ってまいります。
 次に、道路整備等につきましては、交通安全対策の推進として、引き続き通学路緊急安全対策を実施し、児童・生徒の通学環境の向上を図るとともに、狭あい道路の拡幅を含む市内道路の整備等を緊急性や優先度を考慮し進めてまいります。
 また、道路、橋りょうなどの維持管理につきましては、平成28年度において、谷戸橋、古美山立体橋、西寺の上橋の3つの跨線橋の耐震化のための予備設計を実施するとともに、現行の状態を的確に把握し、効率的に長寿命化及びライフサイクルコストの低減を図っていくため、引き続き橋りょう点検、道路調査、路面下空洞化調査及び路面性状調査を実施してまいります。
 次に、公園整備では、アーバンアクア公園について、国交付金の交付状況を見定め、引き続き整備を進めていくほか、平成27年7月末で廃止した上谷津児童遊園地に替わる(仮称)上谷津公園の用地取得に向け、引き続き土地所有者との交渉を行ってまいります。
 また、安全な水の安定供給では、引き続き南浄水場第3配水池の築造工事を進めるとともに、配水管についても順次布設替えを行い、管の耐震化を進めてまいります。
 このほか、雨水対策として、越戸川雨水幹線整備工事を実施し、近年の地球温暖化の影響とみられる局地的集中豪雨対策として、重点施策に掲げた下水管きょの整備を積極的に推進してまいります。

基本目標Ⅱ 自ら学び心豊かに創造性を育むまち(教育・文化・交流)

 平成28年4月の下新倉小学校の開校により、当該小学校が地域コミュニティ及び生涯学習の場として市民の皆様に利用していただけるよう整備に努めてまいります。
 また、学校建設事業に伴い、一時的に閉鎖していた下新倉保育クラブ及び下新倉児童センターにつきましては、下新倉小学校開校に合わせ、施設を新たに開園するほか、市民の図書館利用の利便性の向上を図るため下新倉小学校に図書館分館を併設し、図書館本館と合わせた市民の課題解決に役立つ図書館  サービスの充実に努めてまいります。なお、中学校については、人口増加に伴う生徒数の推移等を見据えながら、その在り方について検討してまいります。
 このほか、放課後児童の居場所づくりとして小学校全校で実施している放課後子ども教室、わこうっこクラブ及び放課後図書室開放事業につきましては、引き続き継続して実施するとともに、わこうっこクラブは現在の第四小学校1校から新倉小学校を加え2校に増やし、更なる児童の居場所の拡充を図ります。
 次に、確かな学力の育成を目指した教育の推進としましては、個に応じた指導を充実するため、小学3・4年生の35人学級の実施や外国語指導助手及び学力向上支援教員の配置など、充実した指導体制を継続していくとともに、子どもたちが確かな学力と自主的な学習能力を身につけることができるよう、教員の指導力の向上を図ってまいります。その他、高度情報化社会に対応することのできる情報活用能力の基礎を育成するため、パソコン等の機器の借上げを継続し、ICT教育を推進してまいります。
 次に、よりよく適応するための支援体制づくりの推進については、引き続き高いスキルを身に付けた相談員を配置し、充実した教育相談体制を継続してまいります。
 なお、今議会に上程させていただく、「和光市子どものいじめ防止条例」に基づき、いじめ防止基本方針の策定、連絡協議会等の設置等を行い、子どものいじめ防止対策に必要な施策を講じてまいります。
 このほか、安全でおいしい学校給食の充実として、各校の老朽化した備品を更新するほか、本町小学校給食室空調機設置工事及び第二中学校給食室改築工事を実施いたします。
 次に、小中学校の整備につきましては、児童・生徒の安全な教育環境を確保するため、平成29年度に実施を予定している北原小学校非構造部材耐震化工事のための設計を行うほか、平成27年度補正予算の繰越しにより第三中学校トイレ改修工事についても実施してまいります。
 交通安全立哨指導員については、新たな下新倉小学校の通学路にも配置し、引き続き児童の登下校時の安全に配慮してまいります。
 さらに、第三小学校敷地内の賃貸借している用地については、不動産鑑定を行い地権者との交渉を進めてまいります。
 次に、重点施策である充実した生涯学習機会の提供では、2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける「おもてなし」を視野に、公民館における事業を展開してまいります。また、和光市教育大綱の基本方針に掲げる、地域特性を生かし、生涯継続する学びを支援する社会教育を推進する観点から、生涯学習講座、公民館での各種講座については、市民ニーズに応じた充実に努めるほか、本市が災害時相互応援協定を締結している自治体とのスポーツなどを通した交流事業についても継続していくとともに、栃木県那須烏山市における従来からの夏休み体験教室を発展的に見直した交流事業も進めてまいります。
 創造的な文化の振興では、指定管理者である和光市文化振興公社との共催等により、和光市ゆかりの童謡詩人・清水かつらの詩人としての心を受け継ぐとともに、日本の歌の振興に資するため、第16回「清水かつら記念 日本歌曲歌唱コンクール」を実施いたします。また、朝霞地区4市合同事業として、「丸沼芸術の森コレクション展」の開催を予定しております。
 さらに、陸上自衛隊東部方面音楽隊やプロの音楽家と連携して、市内の小中学校や福祉施設へのアウトリーチによる演奏活動を引き続き展開してまいります。これにより、和光市民文化センターで開催される演奏会を鑑賞する機会の少ない青少年や市民に対しても、市内の様々な場所で良質の音楽を聴くことのできるような環境を整備してまいります。
 このほか、国際交流事業として姉妹都市であるロングビュー市への市民派遣を行い、海外都市との交流の促進を図ってまいります。 

基本目標Ⅲ 健やかに暮らしみんなで支え合うまち(保健・福祉・医療)

 市民の誰もが生涯にわたり生きがいを持ち、健やかで安らぎのある暮らしを送ることができるよう、妊娠期を含めた子どもから高齢者までの全ライフステージにおける様々な地域課題を解決するため、地域包括ケアシステム構築の更なる推進と、高齢者介護・障害者福祉・子ども子育て支援・生活困窮者施策を一元的にマネジメントする「地域包括ケアシステムの包括化」の実現を目指してまいります。
 まず、重点施策である多様な保育サービスの推進では、待機児童の解消と保育サービスの充実に向けて、和光市子ども・子育て支援事業計画に基づき、新たに中央エリアに新設保育園を誘致・整備していくほか、西大和団地再生事業に伴い、新設の団地内に移転する(仮)ひろさわ保育園等の整備を実施してまいります。   
 このほか、平成28年4月から白子三丁目に、本市で初めてとなる民設民営の保育クラブを開所いたします。
 次に、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を行う「わこう版ネウボラ」につきましては、市内5か所に設置した子育て世代包括支援センターを拠点として、医療、保健、福祉の効果的連携を図り、地域における子育てに関する課題を的確に捉え、引き続き、母子保健ケアマネジャー、子育て支援ケアマネジャーによる相談事業、産前・産後ケア事業等を推進してまいります。
 次に、高齢者福祉施策では、第6期となる和光市介護保険事業計画・高齢者保健福祉計画は、次の第7期計画において地域支援事業として実施することが求められる医療・介護連携の取組を見据え、いわゆる医療介護総合確保推進法に基づく「地域包括ケア計画」として位置づけており、地域包括ケアシステムの確立による介護保障と自立支援の更なる発展を目指し、「介護予防」と「要介護度の重度化予防」、「在宅介護と在宅医療の連携強化」、「自立支援を基本とする包括ケアマネジメントの推進」等、第5期計画の基本的な方針を継承しつつ、認知症高齢者の全ての状態に対応することができる地域体制の構築など、取組の更なる充実と機能化を図ってまいります。
 また、第6期計画から制度化された「介護予防・日常生活支援総合事業」については、平成27年度から全面的に移行しているため、平成28年度は引き続き総合事業の効果の向上に取り組むとともに、低所得高齢者の住まい確保と、在宅ケアの推進を図るための新たな仕組みを構築する「低所得高齢者等住まい・生活支援モデル事業」や、高齢者が健康で自立した生活を送ることができるよう、後期高齢者医療制度における新たな保健事業として、専門職による栄養管理と口腔ケアの訪問指導等を行うアウトリーチ型の支援事業を、平成27年度に引き続き継続して実施してまいります。
 また、「長寿あんしんグランドデザイン」に基づく、地域密着型サービス事業の拠点等整備として、北エリアにおいて看護小規模多機能型居宅介護を併設した認知症グループホーム、中央エリア及び南エリアでは、高齢化の伸展が著しい集合住宅の周辺に定期巡回・随時対応型訪問介護看護、また南エリアには、所得が低い方にも入居が可能なサービス付き高齢者向け住宅を、それぞれ整備してまいります。
 次に、障害者福祉に関する施策につきましては、重点施策でありますチャレンジドが安心できる障害者福祉の推進として、チャレンジドの一人ひとりに合ったサービス提供体制を整備し、チャレンジドの自立、共生、社会参加、社会貢献等を目指すとともに、引き続き相談支援専門員等の配置による相談支援体制の充実を図り、チャレンジドの自立した生活を支援してまいります。
 また、第四次和光市障害者計画及び第4期和光市障害福祉計画に基づき、「住み慣れた地域で自立した暮らしを継続するための支援体制等の整備」、「チャレンジドが地域や社会の一員として学び、働くための支援」及び「地域包括ケアを念頭においた共生型社会の実現」を目指し、自立して生活できる住まいの確保、就労支援の促進、障害者サービスと医療の連携等各種施策に取り組んでまいります。
 さらに、平成28年度は、認知症や障害などで判断能力の低下した人が、不利益を被ることなく安心して地域で暮らしていくため、新たに権利擁護センターを設置し、権利擁護の充実を図るとともに、障害のある方にちょっとした配慮を実践していく「あいサポート事業」についても引き続き実施してまいります。
 このほか、平成29年度に策定する第五次和光市障害者計画及び第5期和光市障害福祉計画のためのニーズ調査を実施するほか、地域福祉の推進において自助・互助を進めるにあたり必要不可欠な組織である、地区社協を新たに2か所設置してまいります。
 また、「くらし」や「仕事」について不安や困りごとがある方をサポートする「和光市くらし・仕事相談センター」の充実を図るとともに、貧困の連鎖を断ち切るための適切な生活支援として、小学校4年生から中学校3年生までの生活困窮家庭の子どもを対象とした学習支援「アスナル教室」を、引き続き実施いたします。
 次に、保健事業に関する施策につきましては、和光市健康づくり基本条例に基づき、引き続き母子及び成老人を対象とした各種健診事業を実施するほか、糖尿病性腎症で通院する患者に対する生活指導を行い、人工透析への移行を予防する生活習慣病重症化予防事業を、引き続き朝霞地区医師会との連携により朝霞地区4市共同で実施してまいります。
 また、頻回受診者を対象に、保健師が自宅に訪問して指導する「健康サポート訪問事業」を実施し、国民健康保険の医療費削減を図ってまいります。
 このほか、医療・介護・保育等における専門職の人材確保を図る取組の一環から、「和光市まちづくり寄附金」を活用した経済的支援事業として、奨学金等を利用しながら養成機関に通い、和光市内の事業者に就職しようとする人に対し、就学資金の助成を行います。

基本目標Ⅳ 安らぎと賑わいのある美しいまち(生活・環境・産業)

 昨年9月の関東・東北豪雨では鬼怒川の堤防が決壊し、各地で甚大な被害が発生したことは、記憶に新しいところです。今年度も安全で安心して暮らせるまちづくりを推進し、防災事業の充実を図り、災害時の連絡体制を整備するため、デジタル簡易無線機基地局整備工事を実施してまいります。
 また、和光市地域防災計画の改訂に合わせてハザードマップを作成するとともに、市民の防災意識を高めるため、防災リーダーの養成にも取り組んでまいります。
 このほか、防災行政無線固定系子局のデジタル化への改修につきましては、引き続き計画的な更新、新設を行ってまいります。
 次に、鉄道・バスの利便性の向上では、市内循環バスの運行につきまして、平成28年4月にダイヤ改正を実施し、利用者の更なる利便性の向上を図ってまいります。
 次に、消費者行政では、消費生活センターを条例化することにより市民の関心や信頼性を高め、消費生活における安全・安心の確保に向けて引き続き取り組んでまいります。
 次に、環境保全対策につきましては、引き続き太陽光発電システムや高効率給湯器などの省エネ機器の導入について補助を実施し、温室効果ガス排出量の低減に努めるほか、マップを見ながら自然を散策できるよう「和光市自然環境マップ」を市民協働事業により作成してまいります。
 また、水環境保全対策としては、引き続き雨水貯留槽の設置費用や、既存住宅における雨水浸透施設の設置費用の助成を行い、水資源の有効活用を図ってまいります。
 次に、重点施策である廃棄物の適正処理の推進では、現在の清掃センターが平成2年の稼働開始から25年以上が経過し、施設の老朽化が著しく進行しており、施設の維持を図り、安定的な処理を行っていくため、焼却施設の修繕整備を計画的に実施してまいります。
 また、施設の将来のあり方については、今後も調査研究を行ってまいります。
 次に、産業振興につきましては、中小企業の育成支援として、昨年、総務省及び経済産業省より認定を受けた「創業支援事業計画」に基づき、創業支援に関するセミナー等への支援を実施するほか、和光市商工会・日本政策金融公庫・和光インキュベーションプラザとの連携の下、市内における創業の促進を図ってまいります。成長分野として期待される新産業の育成については、引き続き和光インキュベーションプラザにインキュベーションマネージャーを配置し、入居者の支援を行ってまいります。
 また、新産業地区への誘致を促すために創設した、移転のための資金の借入れに対する利子補給を行う補助制度については、インキュベーションマネージャーや商工会等との連携を図りながら、PRし活用を図ってまいります。
 このほか、和光市のイメージキャラクターであるわこうっちなどを活用し、市のブランドイメージ向上と和光ブランド等に関する情報を積極的に発信し、本市の知名度の向上を図ってまいります。

Ⅴ 構想の推進に当たって

 まず、協働型社会の構築では、共助仕掛け人による「共助の取組マッチング事業」を引き続き実施し、共助の取組の拡大・強化を図るほか、市民協働推進センターを中心に、市民活動に関する相談受付、人材の育成支援及び協働事業のコーディネートなどを実施し、市と市民との協働を推進してまいります。
 次に、効率的・効果的な行政サービスの提供では、行政改革推進計画に基づき、引き続き効果的・効率的な行政サービスの推進に努めるとともに、現在進行している白子三丁目中央土地区画整理事業により新たな街区が形成されるため、対象地域における住居表示の街区番号の再設定及び住居表示の変更を行ってまいります。
 また、平成27年10月に施行した、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」、いわゆる「マイナンバー法」への対応としましては、市民への周知及び個人番号カードの普及に努めるとともに、マイナンバー制度に対応したセキュリティ対策及び安全なネットワーク環境を構築し、更なる利便性の向上に努めてまいります。
 次に、持続可能な財政運営では、和光市健全な財政運営に関する条例に基づき、中長期的視野に立った適正な財政運営を行っていくとともに、固定資産の評価替えに伴う固定資産標準宅地の鑑定業務を実施してまいります。
 また、市税の適正かつ効率的な徴収を行い、収納率の向上を図るため、引き続き和光市納税サポートセンターを運営するとともに、口座振替の利用促進を図り、納税者の利便性の向上に努めてまいります。さらに、新たに「クラウド口座振替取りまとめサービス」を導入し、セキュリティの向上を図るとともに、収納事務の効率化を図ってまいります。
 また、昨年、返礼品の拡充により利用の促進を図りました「和光市ふるさと納税制度」につきましては、この制度を通じて和光市を応援してくださる方々の思いをより一層酌み取ることができるように、制度の更なる充実に努めるとともに、併せて本市のアピールにもつなげてまいります。
 このほか、職場の安全衛生を推進し、質の高い行政サービスを提供するため、全職員に対しストレスチェックを実施し、職員の健康管理に努めてまいります。
 次に、重点施策である市有施設の適切な保全では、防災拠点の整備及びバリアフリー対策を行う庁舎防災拠点整備工事について、現在、申請手続きを行っている防衛施設周辺対策事業の補助金を活用し、平成29年度の工事実施に向けた実施設計を行ってまいります。
 また、平成28年度には、現在策定に取り組んでいる公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の建物性能及び施設機能を分析し、「維持」「運営形態や用途の見直し」「建替え・移転」「廃止を含めた見直し」など、今後の在り方を仮説として設定した「(仮称)第1次和光市公共施設マネジメント実行計画」を策定し、長期的な視点による公共施設等の総合的な管理を推進してまいります。
 さらに、積極的な広報活動として、昨年設置いたしました「和光市応援団」につきましては、本市出身の芸能人の方を応援団長として任命し、市民まつりにも参加していただきました。更なる和光市の知名度の向上及びイメージアップを図るため、和光市市民文化親善大使の活用も含め、市のシティプロモーションを積極的に推進してまいります。
 このほか、財政運営におきましては、現行の現金主義会計による予算・決算制度を補完するものとして、現金主義会計では見えにくいコストやストックを把握し、中長期的な財政運営の効率化、適正化を目的とした新公会計制度が、平成30年度を目途に全ての地方公共団体で導入されることとなることから、本市におきましても新公会計制度の整備に向け、平成28年度の決算から複式簿記の仕組みを取り入れたシステム運用を図ってまいります。また、市の全ての固定資産について、取得から除売却処分に至るまでの会計上の価額管理を適正に行うために不可欠な固定資産台帳の整備についても行ってまいります。 

 以上、平成28年度の市政運営の基本的な方針及び主な施策の概要を述べさせていただきました。

むすび

 国全体で、少子高齢化、人口減少が進み、国の借金が1千兆円を超える中、我々が抱く将来のイメージについては、非常に厳しいものも浮かび上がってまいります。人口推計から本市の財政状況を予測すると、歳入面においては、生産年齢人口の減少により市財政の根幹を成す地方税の減収が見込まれます。一方、歳出面では、老齢人口の増加による福祉・介護に関する行政需要の拡大や子育て支援・少子化対策等のために扶助費の一層の増加が見込まれるなど、義務的経費の割合が高まることが予想され、今後も非常に厳しい市政運営が続くことは想像に難くありません。
 しかしながら、私たちはこの状況をただ手をこまねいて見ているわけにはいきません。私たちは、郷土「わこう」を持続可能なものとして、子どもたちの代に、さらにそのまた子どもたちの代へとしっかりと引き継いでいく義務があります。 
 市政を進める上で、すぐに正解が用意できる「魔法の杖」や「打ち出の小槌」は、残念ながら存在いたしません。様々な利害が複雑に絡み合う困難な課題に対しても、市民の皆さまの声にしっかりと耳を傾けながら合意形成を図り、一つひとつ丁寧に解決していくことが、明るい未来への道を切り開くことであると確信しています。
 将来の世代へ過大な負担を残さないため、不断の行財政改革を行い、限られた財源を効果的・効率的に活用し、持続可能な市政運営を行ってまいります。
 本市は、市民の平均年齢が県内で2番目に若いまちであるという強みに加え、今年の夏の国政選挙から、選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられることにより、1200人程の若い力がこれまで以上に市政に参加してまいります。まちの活性化に不可欠であるこの若い力もしっかりと取り入れ、市民の皆さまと力を合わせながら、第四次和光市総合振興計画基本構想に掲げる将来都市像の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
 私は、市長就任以来、将来都市像として「みんなでつくる 快適環境都市 わこう」を掲げ、その実現に向け、常に全力で市政運営に邁進してまいりました。定期的に実施をしている市民意識調査においては、本市に対し「住みやすい」及び「住み続けたい」との回答をいただいた市民の皆さまの割合は、それぞれ約74%、約86%となっております。これは、本市が交通アクセスの利便性と緑が豊かに残る住宅都市としての高い魅力を兼ね備えているまちである証と考えております。
 私は、この高い評価をいただいたことに甘んじることなく、引き続き本市の魅力を高め、「日本一住みやすい和光(まち)」であると市民の皆さまが実感できるよう努力してまいる所存であります。

 以上を持ちまして、平成28年度を迎えるに当たり、市政運営における所信の一端を述べさせていただきました。今後とも、議員の皆様、市民の皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げ、平成28年度の施政方針といたします。 

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