平成22年度施政方針

2012年02月27日 08時32分

平成22年3月定例市議会において、市長が述べた施政方針を紹介します。

  • 施政方針とは、向こう1年間の市長の市政運営に対する基本的な考え方や重要施策、予算編成の基本方針を説明したものです。

はじめに 

   施政方針を述べる松本市長

 平成22年和光市議会3月定例会の開会にあたり、新年度の市政運営にかかる所信と施策の概要について述べさせていただきます。

 昨年5月26日に市長に就任して、早くも8か月が経過いたしました。その間、皆様には市政運営にご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 私は、市長就任以来「安心・快適・透明」を市政運営の基本理念とし、市長選挙において市民の皆様とお約束しました6つの柱からなる39のマニフェストの政策実行計画を作成し、公表させていただきました。マニフェストの実施にあたっては、すでに「市長給与の25パーセントカット」「どこでも市長室」など市長としてすぐ実行できることについては取り組んでまいりましたが、今後実施するそれぞれの項目につきましては、現下の市の財政状況に配慮しつつ、市の実施計画等における全体の事業の中での位置づけを明確にし、優先度を見極めて順次進めてまいりたいと考えております。

 また、平成22年度は10年間の市の方向性を明らかにする第四次和光市総合振興計画策定を完了させる年であります。和光市の強みである交通の利便性を生かし、都市と自然環境の調和がとれたまちを目指した計画策定が進められております。今後も市民参加を得ながら、計画を取りまとめ、議会のご議論をいただきまして定めてまいります。

 なお、現行の第三次和光市総合振興計画も最終年次となり、集大成の時期を迎えます。「みどり豊かな人間都市 和光」を20年間にわたって目指すべき目標としてとらえ、豊かな水とみどり、また人々のふれあいの中で質の高い都市づくりを進めてまいりましたが、その総仕上げの意味で策定当初の将来都市像を振り返り、新たな快適環境の概念を創造し、来るべき時代へ引継ぎを行ってまいります。
 また、平成22年10月に、市制40周年を迎えますことから、今日までの市の発展を市民の皆様と共有する取組として、多くの経費をかけずに、既存事業実施の中で市のPRも含め情報を発信してまいります。

予算編成における基本方針と重点的に取り組む5つの事項

 平成22年度の市政執行にあたり、予算編成における基本方針と重点的に取り組む5つの事項について述べさせていただきます。


選択と集中による緊縮型の予算編成 

 まず、予算編成にあたっての基本的な方向性は選択と集中であります。

 平成21年度の市政を振り返りますと、財政状況の悪化が顕著であります。経済危機の深刻な影響を受けて、法人市民税が大幅な減収となり、今後は個人市民税の減収も避けられない状況であります。
 一方では、財政調整基金等の残高がかつてないほど少なくなっております。
 さらに、現下の経済状況と住民基本台帳人口における年齢人口の推移から、保険・医療施策など社会保障関係経費の更なる増加は必至の状況であります。

 このような大変厳しい状況の中、現在の財政状況や将来見通しに見合った行政サービスの水準を考える手段として、市民や外部評価者による「事業仕分け」や「大規模事業検証会議」を実施し、既存事業等について評価、又は検証をいただいたところであります。
 事業仕分け対象事業の一部は、平成22年度当初予算編成にも反映させるとともに、平成23年度以降の事業見直しや予算編成にも反映させる予定であります。また、大規模事業検証会議の結果につきましても検証結果を踏まえ、市として対象事業の方向性を示してまいります。

 本市のこれまでにない厳しい現状を踏まえ、平成22年度は従来の拡大・拡充型予算編成から、身の丈にあった選択と集中型の予算編成へと大きく方向を転換してまいります。

 予算編成にあたっては、新規事業の大幅な抑制、投資的事業における実施年度の先送り、又は事業規模の縮小などを積極的に行ったほか、経常経費にも切り込み、当初の予算要求額を圧縮いたしました。しかしながら、国民健康保険特別会計への繰出金の増加、生活困窮者の増加による生活保護費など社会保障関係全般にわたる増加、子ども手当の創設による増加など支出が避けられない経費が増加しており、結果として予算規模が前年度を上回ることとなっております。これらのプロセスについては市ホームページに公表させていただきました。
 なお、事業概要については後段に譲りますが、健康、子育て支援、教育施設の整備、土地区画整理事業等の施策の一部には積極的に予算を投入し、早期に施策効果が上がるよう取り組んでまいります。

 平成22年度の施策推進のための重点事項 

(1)行財政改革推進のための体制整備

 本市では、今まで比較的財政状況が良好であったことから、国民健康保険税を10年以上据え置き、都市計画税の税率を低く抑えてきたことや、下水道料金を下水道事業開始以来据え置いてきたことに見られるように、負担とサービスの観点から税率等の体系の見直しを行う頻度が低い状況にありました。

 しかしながら、昨今の経済状況が激変する中で、今後の市の財政状況と投資的事業等の事業量を考えますと、これらの税率等の体系については見直しが急務となっております。このことからも、適正な負担水準のあり方などについて、透明性を高めた検討を進めてまいります。
 また、市として独自に行っている補助金等の上乗せ、横出しのサービスについては、トータルな視点からの見直しが急務となっておりますので、洗い出し作業を進め、サービスの在り方等の検証を行う中で、それぞれのサービスについて優先順位を付ける作業を行い、市民の皆様からもご意見をいただきながら適切なサービス体系を構築してまいります。

(2)公平な市政運営のための市税等の徴収体制の充実

 公平な市政運営を行うとともに自主財源を確保するためには徴収体制の整備が不可欠であります。本市では平成21年度に引き続き、平成22年度以降も非常に厳しい財政状況が予想されています。さらに、市税、国民健康保険税の収納率は県内の平均を下回っています。これらの状況を踏まえ、平成21年度第四四半期には県税事務所より担当者を受け入れての徴収体制の強化を行ってきたところであります。平成22年度はその成果を生かし、歳入の大半を占める市税等の自主財源の確保を重視し、効率的な収納業務を柱とした考え方の下、徴収体制を強化し、収納率の向上に努めてまいります。

(3)子ども施設の拡充に向けた検討・準備を推進 

 最優先課題である学校建設については、(仮称)学校建設事業検討委員会を設置し、まず小学校の建設場所、規模等の検討を行い、用地交渉の着手を目指します。また、保育園待機児童の解消のため、引き続き、待機児童の多い地区への保育園の誘致については積極的に取り組んでまいります。

(4)健全財政条例・財政白書による財政の可視化推進

 和光市始まって以来の財政逼迫に直面している状況下において、その市政運営に求められるのは市民との財政情報の共有であり、財政状況を十分に認識した上での持続可能な行政の確立であります。このことから、行財政の持続可能性を高めるために財政情報の可視化と拡充を推進してまいります。財政状況を判りやすく示す「財政白書」を市民参加のもとで作成するとともに、財政悪化の兆候が見られた場合には、市民が早期にそれを知り、理解し、対応することができる仕組として「健全財政条例」の制定を進めてまいります。

(5)内部統制の強化

 平成20年度、21年度の国民健康保険特別会計当初予算における積算過誤は市政運営に重大な影響を及ぼし、さらに、職員の不祥事でも市民の皆様には大変なご迷惑をおかけいたしました。
 今後とも、市民の皆様に信頼していただける市役所であるために、平成22年度は内部のチェック体制の強化とともに、さらなる職員の倫理の保持に取り組んでまいります。


 今日の経済不況の中、国政における政権交代をはじめとするめまぐるしい変化の時代にわれわれは置かれています。この混迷する難局を乗り切るためには、市役所内部の知恵だけでなく、広く市民の皆様の英知を結集し、議会とも連携しながら行政を運営しなければなりません。
 私は議会との連携とはオープンな場での議会と行政との議論であると考えております。
 今回提出させていただきました予算及びこれから述べさせていただきます主要事業につきましては、本市がおかれている財政状況及び市民ニーズを捉え、検討を重ね編成したものではございますが、事業実施にあたりましては、最少の経費で最大の効果が上げられるよう事業に取り組んでまいりますので、何卒ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

平成22年度当初予算

 それでは、平成22年度当初予算の概要についてご説明申し上げます。

 平成22年度当初予算は、一般会計が210億3,500万円で、前年と比較して2.9%の増となっております。

 国民健康保険、後期高齢者医療、老人保健、介護保険及び下水道事業の5つの特別会計は合計で、103億5,173万6千円で前年と比較して6.0%の増となっております。

 また、水道事業は16億3,697万3千円で、前年と比較して11.3%の減となっております。

 なお、今後も積極的な自主財源の確保を行い計画的な行政運営に努めてまいります。

 

主要事業

 次に、総合振興計画後期基本計画における分野別の施策の大綱に沿って、主要事業について申し上げます。

便利で心地よい和光の実現のために(都市基盤)

 1つ目の柱であります「便利で心地よい和光の実現のために(都市基盤)」では、歩行者に優しい整った市街地を形成するため、土地区画整理事業の推進に集中的な資金投下を行います。

 最重要課題でもあります和光市駅北口土地区画整理事業を引き続き進め、将来的には新たな駅前交通広場や道路、公園を整備し、駅への利便性の向上や良好な住宅環境の形成により、宅地の利用促進を図り「安全・安心なまちづくり」を目指してまいります。平成22年度については、平成23年度の仮換地指定を目指し、各種測量、換地設計方針及び基準を作成し、概略換地設計を行ってまいります。

 また、昨年末に認可を取得しました和光北インター地域土地区画整理事業及び白子三丁目中央地区区画整理事業についても土地区画整理組合に対し、財政支援及び技術援助を行ってまいります。

 このほか、市街地整備では、緑・湧水・河川・社寺・公園などにより形成される和光市の良好な景観を守り、育て、創り「まちに愛着を抱き、誇りに感じる“都心に近い緑豊かなふるさと”景観づくり」の実現を目指すため、平成21年度に制定いたしました景観条例及び景観計画に基づき、良好な景観の形成を推進してまいります。

 道路・公共交通では、安全・快適に通行できるよう、道路整備実施計画に基づき、市道98、537号線の整備を進めるとともに、交通の利便性の向上を図るため、丸山台地区と中央第二谷中地区とを結ぶ諏訪越四ツ木線跨線橋橋台工事を進めてまいります。また、歩行者目線で道路の危険か所を洗い出し、対応を検討するため市民意見募集を実施し、私自らが重要なか所を点検するなど、早急に改善すべきか所の抽出を行います。

 上・下水道では、平成21年度中に策定します「和光市水道ビジョン」に基づき、経営基盤の安定化に向け、計画的取組を進めるとともに、「雨に強いまちづくり」を目指し、白子一丁目(浩之湯前)の雨水整備を行ってまいります。また、下水道事業の経営については、昨年度から実施してまいりました公営企業法適用を視野に入れた資産調査をはじめ、下水道使用料の見直し作業を引き続き行ってまいります。

 公園では、中央第二谷中土地区画整理地内の(仮称)第5公園整備のための設計を行うとともに、地域による公園見守り体制の構築を目指し、引き続き、公園利用状況調査を行うとともに、公園サポーター養成のための研修を実施してまいります。

 住環境では、現在施行中の越後山土地区画整理事業及び中央第二谷中土地区画整理事業により、地区計画等の手法を用いた良好な住宅整備を引き続き計画的に進めるとともに、住環境の整った安心安全なまちづくりを進めてまいります。

                  

元気で明るい和光市の実現のために(教育・文化)

 2つ目の柱であります「元気で明るい和光の実現のために(教育・文化)」では、重点的な取組としては、小中学校に在学する障がい児童生徒の個々に応じた指導の充実を期するため、学校生活支援員を増員し、支援の充実を図ってまいります。また、市内の小・中学校の適正配置、適正規模を考慮し、新設学校の施設整備について、教育委員会から報告のありました「市立小・中学校の適正配置・適正規模の基本的考え方と具体的な方策」に基づき、「(仮称)学校建設事業検討委員会」を設置し、まず小学校を建設する方向で準備を進めてまいります。

 このほか、学校教育では、安心・安全な教育施設の整備を図るため、大和中学校体育館工事設計、白子小学校アスベスト撤去工事設計、広沢小学校体育館耐震補強工事を行ってまいります。また、児童生徒に基礎学力を十分に定着させ、わかる楽しさ・できる喜びを味わうことができるよう、昨年同様の算数補習授業の実施、市費対応教職員の効果的な活用を図るとともに、日常の授業の工夫・改善を行ってまいります。

 文化・歴史では、和光市駅南口駅前広場の整備に伴い、新たな文化発信のひとつとして、アマチュアを中心としたアーティストの演奏場所として活用できるよう検討してまいります。

 交流では、第三次和光市行動計画男女共同参画わこうプランを策定し、引き続き、男女共同参画社会の実現に努めてまいります。

  

健やかで優しい和光の実現のために(保健・福祉・医療)

 3つ目の柱であります「健やかで優しい和光の実現のために(保健・福祉・医療)」では、平成21年度中に策定します第2次和光市地域福祉計画に基づき、子ども、チャレンジド、高齢者など様々な施策については市民団体と市の協働や事業者との連携により取り組んでまいりたいと考えております。

 また、重点的な取組としては、保育園の待機児童対策では、保育に欠ける家庭保育室の利用者に対して、保育料の一部を助成する制度を新たに導入します。子ども医療費の助成については、現制度を拡充し、助成対象を通院の場合は12歳に達する年度末まで、入院の場合は15歳に達する年度末までに拡大し、子育て家庭の負担軽減を図ります。

 このほか、児童福祉では、平成21年度中に策定します和光市次世代育成支援対策後期行動計画に基づき、各種施策の推進に努めてまいります。また、親が子どもを安心して預け、働くことができる環境を整えるため、保育クラブの入所基準の見直しを検討してまいります。

 高齢者福祉では、引き続き、和光市長寿あんしんプランに基づき、各種施策を推進してまいります。また、住宅での生活の継続性を支援するための小規模多機能型居宅介護施設や医療機能を併設した高齢者専用賃貸住宅など、地域密着型サービス拠点の整備に努めてまいります。

 障がい者福祉では、新たに児童デイサービス運営費等補助金制度を導入し、市内に開所した指定事業所の経営基盤の安定を図るため家賃補助を実施し、障がい者が安心して通えるよう施設運営の支援をしてまいります。

 保健・医療では、新たに後期高齢者医療被保険者に対して、人間ドック助成制度を創設し、高齢者の健康管理の充実を図り、疾病の早期発見・早期治療を図ることにより、健康で自立した生活を送れるよう支援してまいります。また、平成21年度中に策定いたします和光市食育推進計画に基づき、各種施策を推進し、健全な食生活を実践することにより一人ひとりが生涯にわたり健康で元気に暮らせるよう、健康づくりを推進してまいります。

 

安全で美しい和光の実現のために(市民生活)

 4つ目の柱であります「安全で美しい和光の実現のために(市民生活)」では、重点的な取組としては、地域資源ネットワーク事業により団塊の世代、シルバー世代を含めた個々の市民の持つ様々な経験や技能など、地域の人的・技術的資源の掘り起こしにより、情報集積を行い、協働事業のコーディネートを行ってまいります。

 環境では、和光市の自然環境や生活環境をよりよくしていくため、身近な環境の保全に加え、地球規模の環境問題にも取り組んでいく第二次和光市環境基本計画を策定します。また、地球温暖化防止の一環として環境への負荷の少ない新エネルギーの導入を促進するため、住宅用太陽光発電システムをあらたに設置する家庭に対し引き続き補助を実施してまいります。

 衛生管理では、ごみ処理施設の安定的稼動及び、施設の延命を図るための修繕を計画的に実施してまいります。

 安全では、和光市地域防災計画に基づいて、災害用備品等の計画的な整備・充実を図るとともに、自主防災組織活動の活性化に努めてまいります。また、地域における防災・防犯対策として、リーダー養成講座を実施し、防災・防犯に対する意識の向上を図ってまいります。

 地域社会では、協働推進センターを中心に、市民活動に参加するきっかけ作りや団体を立ち上げる際の支援を行い、市民活動を元気にするとともに、地域における課題の解決に向けた様々な市民活動の支援を行って、協働を推進してまいります。また、和光市協働推進懇話会にて市民活動団体の成長モデル及びサポートの検討を行い、市民が行政に代わって自主的に行いたい事業を市役所に提案して公のサービスを市民の手に移していく市民提案型事業を行うことができる制度を構築してまいります。

  

創造的で力強い和光の実現のために(産業)

 5つ目の柱であります「創造的で力強い和光の実現のために(産業)」では、重点的な取組としては、農業体験を通じて自然や土とふれあう機会の充実を図るため、市民農園を拡大してまいります。

 商工業では、市内商工業の振興と発展を図るため、実効性のある産業振興計画を策定してまいります。

 農業では、おいしい地場野菜の市内流通及び市内農家と市民の交流を活性化するため、地場野菜のPRにより、地産地消の推進を図ってまいります。

 労働では、勤労福祉センターの効率的効果的な事業運営を図るため、平成23年度に指定管理者制度を導入するための手続を進めてまいります。

 

構想推進のために

 「構想推進のために」では、今後10年間の和光市全体のまちづくりの方向性を示す総合計画として、引き続き、第四次総合振興計画策定に取り組んでまいります。

 財政運営については、財政の健全性を維持する仕組みとして、健全財政条例の制定に取り組むとともに、寄附条例を制定し市民が税の使途に関与できる体制づくりに努めてまいります。また、収納率向上に向けた体制を整備し、滞納整理の強化策としての差押動産のインターネット公売を引き続き実施してまいります。

 また、平成22年度執行の参議院議員通常選挙時における投票の利便性に配慮した期日前投票所を、市役所の他、和光市駅周辺に設置する方向で進めてまいります。

 このほか、各公共施設の老朽化が進んできていることから、中長期的な保全計画を策定し、適正かつ効率的な施設の管理を目指してまいります。また、各公共施設のアナログ放送受信設備は、順次、地上波デジタル放送受信設備へと、切り替えを進めてまいります。

おわりに 

 以上、平成22年度を迎えるにあたり、市政運営における所信の一端を述べさせていただきました。

 今後とも市民並びに議員各位のご理解とご協力をお願いし、平成22年度の施政方針といたします。

 

 

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担当名:政策課 企画調整担当

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